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東北大学×三井不動産、「サイエンスパーク」本格始動

東北大学と三井不動産はパートナーシップを締結し、「東北大学サイエンスパーク構想」を本格始動する。

「サイエンスパーク構想」とは、東北大学の人材・設備・制度等を広く社会に対して提供することで、産学連携により最先端の技術を社会実装させ、社会課題解決と新産業創造を目指す構想。先端技術開発に挑戦する企業や、企業と共創して学術研究を推進する大学、研究機関など、多彩なプレイヤーが集まり融合する「共創の場」を構築する。

パートナーシップの締結により、三井不動産は産学連携や新産業創造に関する知見を活用。東北大学は、その強みとする「半導体・量子」「グリーン・宇宙」「ライフサイエンス」「材料科学」をはじめとする学術領域ごとのコミュニティを拡大しつつ、業界や領域の垣根を超えた交流・連携を加速させるための会員組織を新設する。これら「場」と「コミュニティ」を両輪として、産学連携により最先端技術を社会実装させ、イノベーションを生み出し、社会課題解決と新産業創造を共に目指している。

構想の第一弾としては、青葉山新キャンパスの約4万m2の敷地で整備中の「サイエンスパーク」において、4月1日から新たな研究棟2棟を運用開始した。新設された研究棟は「国際放射光イノベーション・スマート研究棟」と、産学連携拠点「青葉山ユニバース」の2棟。同じく青葉山新キャンパスに位置する世界最先端の次世代放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」や、世界トップレベルの半導体関連の研究開発拠点とあわせて、世界中から優秀な研究者や企業が集結することを目指す。

NanoTerasuは、国内初の官民地域パートナーシップにより整備され、1メートルの10億分の1というナノの世界を観察することができる世界最高水準の先端大型研究施設で、4月9日から稼働を開始した。電子を加速器によりほぼ光の速さまで加速し、太陽光の約10億倍に及ぶ放射光であるX線を発生させ、これを物質に照らすことにより観察を行なう。基礎科学はもちろん、エネルギー、材料、デバイス、バイオ、食品など様々な産業領域において幅広い活用が期待される。

また、「東北大学サイエンスパーク構想」の愛称を「MICHINOOK(ミチノーク)」とし、新設する会員組織の名称を「MICHINOOK コミュニティ」に決定した。ロゴマークの「O」の重なりは無限記号をイメージしており、「MICHINOOK」の可能性が無限に広がっていくことを表しているという。

MICHINOOKは、単一の学術領域に留まらず、東北大学が世界トップレベルの研究者や研究環境を有する「半導体・量子」「グリーン・宇宙」「ライフサイエンス」「材料科学」など、複数の学術領域を対象としたコミュニティ。領域ごとに大学と企業等の交流・連携を促し、イノベーション創出を目指す取り組みとあわせて、複数の学術領域の垣根を越えた共創活動を促す。対象とする学術領域は、今後、順次拡大していく予定。

会員制度としては、入会金・年会費が必要な「特別会員 A・B」と、入会金・年会費とも無料の「個人会員」「学生会員」を設置する。