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花王、新たな蚊よけ技術を製品化。蚊が肌にとどまらない

花王は、「蚊から未来の命を守るプロジェクト」を2022年2月に発足。蚊による感染症やデング熱被害削減の取り組みを本格的に進める。プロジェクトの一環として、花王独自の技術を応用した蚊よけ製品を開発。

製品はタイ保健省に650万タイバーツとともに寄付、2022年2月から製品8万個をタイ国内で配布する。

花王ではこれまで、人々のくらしを蚊から守る独自の研究を進めてきた。蚊が肌に降り立つ挙動に着目して、界面での濡れ現象を利用することで蚊の吸血から身を守る技術を開発。

2020年12月には、肌上に低粘度のシリコーンオイルを塗布することで、蚊が肌にとどまらず、吸血を阻害できる蚊よけ技術を発表している。これは従来の忌避剤(揮発性有効成分、DEET、イカリジンなど)とは異なる作用機序をもつ新たな技術になる。

ヒトの肌を用いた試験では、何も塗っていない場合は肌に止まったメス蚊は平均85%が吸血行動を示したのに対し、低粘度のシリコーンオイルを塗布した肌では、平均4%の蚊しか吸血行動を示さなかったという。

今回配布する製品は、今後「Biore GUARD Mos Block Serum(ビオレガード モスブロックセラム)」としてタイで発売予定。肌を守ることで「未来の命を守る」という使命実現を目指す。

デング熱は近年さらに感染者数が増加しており、長年の社会問題とされている。プロジェクトでは、デング熱に関する啓発活動や実証実験、研究活動などを包括的に推進していく。将来的には、蚊を媒介するさまざまな感染症に悩む他のアジア地域へも拡大していく予定。