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Suicaで会社も自宅も解錠できる「Akerun」新サービス。フォトシンス

クラウドで鍵を管理する「Akerun」を提供するフォトシンスは、キーレス社会を実現するためのアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」と新サービス「Akerun来訪管理システム」を発表。三井不動産との協業も開始する。SuicaなどのICカードを鍵として利用し、1つの鍵で複数の場所を解錠を可能にするクラウドサービス。これにより物理的な鍵を無くすことを目指す。

Akerunは、交通系ICカードなどで鍵の解錠を可能にする企業向けIoTサービス。導入企業は4,500社。アカウント数は66万人で、都内のオフィスワーカー利用率は7.4%。

「Akerun Access Intelligence」は、Akerunユーザーの情報をベースとしたクラウドアクセス型認証基盤。ユーザーの会社名や名前、メールアドレス、電話番号などの基本情報に加え、交通系ICカードや顔データ、指紋など、「物理ID」として使える情報を紐付けることができる。

これにより、メールアドレスに対して権限を与えれば、紐付けられたICカードに権限を付与できるため、解錠に必要な物理的な鍵や、IDカードを手渡す必要がない。1つのICカードで複数箇所の解錠も可能になる。

たとえば、Akerun Access Intelligenceに登録済みのユーザーが、同システムに対応する賃貸を借りる場合、メールアドレスを伝えるだけで、普段、会社などでAkerunを利用しているICカードを家の鍵として利用できるようになる。また、対応するホテルであれば、同じICカードを宿泊期間中、ホテルの部屋を空けるキーとすることもでき、フロントを利用する必要が無くなる。

新機能の「Akerun来訪管理システム」は、主にビルマーケットを対象とするサービス。

ゲストがビルに入館する際、従来は受付で記入し、入館証を受け取るなどが必要だったが、これをAkerunによってクラウド化。入館証を発行する必要がなくなる。

システムは、既にAkerunを利用しているユーザーと、利用していないユーザーに対応。Akerunユーザーに対しては前述の通り、既にメールアドレスなどの個人情報と、認証に利用するICカードが紐付けられているため、メールなどでビルに入居する企業にアポイントをとった時点で認証が可能になる。

Akerunを利用していないユーザーがアポイントをとった場合は、アポイント時点でビル側からユーザーに個別の認証IDを発行。ビルへの入館時は、入口に設置されている端末から認証IDを入力し、鍵として使いたいICカードをかざせば、事前に知らせた会社名や名前、メールアドレスにICカードの情報が自動で紐付けされ、Akerunのアカウントが作成されるしくみ。ユーザー側に手間を掛けることなく、最小限の動作でアカウントの作成ができ、以降は他の施設でもAkerunを利用できる。

認証IDを入力して登録

対応するICカードの種類はSuicaなどの交通系ICカード(Felica)と、Mifare(Type A)。

同システムは、三井不動産との協業により、三井不動産の新オフィス「日本橋室町三井タワー」(東京都・日本橋室町)で実証実験も実施する。

三井不動産は、同社が運営するシェアオフィス・レンタルオフィス・サービスオフィス「ワークスタイリング」で、2018年から「Akerun入退室管理システム」を採用。自社オフィスでの入退室管理にも利用している。

実証実験では、三井不動産の新オフィスの受付とセキュリティゲートに「Akerun来訪管理システム」を導入。来訪者はAkerunユーザーIDとして登録されたICカードを利用し、三井不動産の新オフィスのセキュリティゲートにアクセスできる。また、三井不動産では、来訪者の来訪/受付履歴をクラウド上の管理画面からリアルタイムで確認、参照できる。

新たに35億円の資金調達。キーレス社会を目指す

フォトシンスは、8月4日付けで、新たに35億円の資金調達を発表。資金調達の累計が50億円を突破した。農林中央金庫、NTTドコモ・ベンチャーズ、三井不動産CVC、LINE Ventures、凸版印刷、BSPグループ、スクラムベンチャーズ、常陽産業研究所および既存株主であるグロービス・キャピタル・パートナーズなどを引受先とする第三者割当増資と、新生銀行、日本政策金融公庫、みずほ銀行、常陽銀行などからの融資等により、これまで未発表だった資金調達を含めたもの。

資金調達により、今回発表した新サービスを含めた新戦略を推進し、キーレス社会の実現を目指す。

同時に企業ロゴもリニューアル。従来のサービスロゴを基調としながら、「Akerun Access Intelligence」を基盤としたインテリジェントなサービスとしてのAkerunを想起できるよう「頭脳」のデザインを追加。Akerunでさまざまな場所や空間、シーンにアクセスする動的なイメージを青と緑のグラデーションで表現したという。

代表取締役社長の河瀬航大氏は、4日に行なわれた記者会見で「ここ数年でキャッシュレスが進み、身の回りでアナログなものが少なくなってきた。最後は鍵。これが無くなるキーレス社会の到来は自明で、(物理的な)鍵が無くなるシンプルな世の中を作っていきたい」と、抱負を語った。