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都営浅草線、QRコードのホームドア制御システム運用開始

デンソーウェーブと東京都交通局が共同開発した新型QRコード「tQR」を用いたホームドア開閉制御システムが、都営地下鉄浅草線新橋駅において10月5日の始発から運用開始する。このシステムが地下鉄で実際に運用されるのは初となる。

1日あたりの平均利用者数が10万人以上の駅は、ホームドアの優先整備の対象となっている。一方で、優先整備対象駅のホームドアの整備状況は、コストや車両の扉位置が揃っていない等の課題により、2018年度末時点の整備済み番線数は、353番線/1219番線にとどまっているという。

tQRを採用したシステムでは、1編成ごとに搭載される通信制御機器の代わりにQRコードと駅ホームのスキャナーを用いるため設備費用の低減が可能。車両側も、扉の位置や編成車両数の情報を格納したQRコードを車体に張り付けるだけなので、車両本体の改修工期を削減できる。

ホームドアは、車両側ドアの制御に連動して開閉するため、車掌のホームドア開閉作業が不要。駅停車時間延長の抑制を図れる。tQRに格納されたデータを使用して開閉するため、1車両当たりのドア数が違う場合や、車両編成数が異なる場合にも対応できる。

ドア数の異なる車両に対応
車両編成数が異なる場合、列車停車位置のみホームドアを開閉する

通常のQRコードは30%まで欠けたり汚れたりしても読み取れるのに対して、tQRは50%まで欠けたり汚れたりしても復元できる。雨粒や外光の反射による読み取りづらさにも対応。複数カ所のドアにQRコードを貼りつけて検知することで、万が一QRコードの剥がれや個別のドアの異常などが発生した場合でも信頼性を確保できるという。

このシステムは今後、東京都交通局により2020年春までに、都営地下鉄浅草線の大門駅(11月)、三田駅(12月)、泉岳寺駅(2020年1~2月)への設置を予定。2023年度を目途に浅草線全駅への整備を目指す。