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都営地下鉄、全駅のホームドア整備完了

東京都交通局は、同局管理駅における都営地下鉄全駅のホームドア整備が、浅草線・西馬込駅での11月18日運用開始をもって完了すると発表した。京成電鉄と共同で整備を進めている押上駅も2024年2月20日に完了予定で、これにより都営地下鉄全106駅の整備が完了する。

東京都交通局では、2000年度に営業中の路線として全国で初めて、三田線にホームドアを整備。2000年8月に三田線における整備が完了した。その後、2013年4月に大江戸線、2019年8月に新宿線の整備が完了した。

整備後の路線では転落件数が「0」となるなど、ホーム上の安全対策として高い効果を示している。

ホームドア整備率とホームからの転落件数の推移

三田線・大江戸線・新宿線では、車両側にホームドアを開けるための機器を設置し、編成車両数や車両ドア数、ドアの開閉状況等の情報を無線で通信することにより、ドアの開閉を連動させている。

これに対して浅草線は、複数の鉄道事業者による相互直通運転を行なっていることから、各社からの乗り入れが多く、車両によっては機器の設置が困難であるなどの課題があった。課題解決に向け、車両側の機器を必要としない、QRコードを用いたホームドア開閉連動技術をデンソーウェーブと共同で開発した。

QRコードを車両ドアに貼り、ホーム上のカメラ(読み取り装置)で編成車両数や車両ドア数などの情報、QRコードの動きを検知し、車両ドアの開閉に合わせてホームドアを開閉する仕組み。この技術は、他の鉄道事業者におけるホームドア整備の一助となるよう、特許をオープンにしている。

浅草線のホームドア

整備に当たっては、世界的な半導体不足の影響によりホームドアの製造に最大10カ月の遅れが出たが、各駅でホーム補強等の準備工事を着実に実施するとともに、設置後の動作確認手順の見直しや複数駅での同時施工、列車を使用したホームドアの搬入等の工夫により工程を圧縮し、早期の整備完了につなげた。