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ドコモ、誤差数cm単位の「GNSS位置補正情報配信基盤」。コマツが採用

NTTドコモは、測位衛星システム「GNSS」を活用し、誤差数センチメートルの高精度で測位できる「GNSS位置補正情報配信基盤」を10月1日から提供開始する。ICT建機の効率的な施工管理のための位置情報把握などの利用を想定している。

同基盤は、国土地理院が全国に設置した約1,300局の電子基準点と、ドコモ独自固定局がGNSSから観測したデータを集めて加工した位置補正情報を、携帯電話ネットワークを通じて高精度位置情報を必要とする移動局に配信。誤差数cmの高精度測位を可能にする。

同基盤のフラグシップパートナーとして、コマツが10月1日から採用。建機のオペレーター支援システムであるマシンガイダンス技術への活用を、ドコモとコマツが共同で推進する。

コマツでは、国土地理院の電子基準点をベースとした位置補正情報を取得し、GNSSからの測位情報に対し補正、誤差±20mm以内の精度による動作をすでに確保している。しかし、電子基準点から離れた現場では十分な位置補正情報を取得できないケースがあったとする。

今後は、コマツのスマートコンストラクション導入現場の近接地に、NTTドコモが独自固定局を設置。GNSS補正情報配信基盤で電子基準点とドコモ独自固定局を活用して位置補正情報を配信する。これにより、電子基準点から離れた場所や山間部など、建設現場特有の地域にも位置補正情報インフラが整備され、低価格で精度の高い位置補正情報の取得が可能となるという。

ドコモは今後、同基盤を建機業界以外の様々な業界へ展開。この取り組みには、移動局の小型化・省電力化が必要で、その実現のためにクラウドで測位演算する新技術などについても検討を進め、既存製品のIoT機器化を加速していく。

またより身近な利用シーンも創出。例えば、車椅子の移動の際の正確な誘導や、スポーツ分野における選手の移動軌跡の正確な把握による高度な分析、地図のない空中での安全な機器(ドローンなど)の制御による新しい物流空間の実現などを想定しているという。