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幸楽苑、楽天ポイントと画像認識でオススメ提案「UmaAIくじ」

幸楽苑ホールディングスは、29日より「幸楽苑」全517店舗に「楽天ポイントカード」および「楽天スーパーポイント」を導入する。さらに、楽天技術研究所が開発したAIが年齢などを推定しておすすめメニューを提案する「幸楽苑 UmaAIくじ(ウマアイクジ)」の試験導入について発表した。

左から幸楽苑ホールディングス 代表取締役社長 新井田 昇氏、楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史氏
店舗で配布する幸楽苑オリジナルデザインの楽天ポイントカード

楽天ポイントサービスについては、店舗での会計時に楽天ポイントカードや楽天ポイントカードアプリを提示すると、支払額100円ごとに1ポイントが付与され、貯まった楽天ポイントを支払いに充てることもできる。

これに伴い、オリジナルデザインの「幸楽苑楽天ポイントカード」を店舗で無料配布するほか、通常より2倍のポイントを獲得できる「幸楽苑 楽天ポイントスタート記念!ポイント2倍キャンペーン」も実施する。期間は1月29日から2月28日まで。

また、楽天グループのもつ技術を活用し、新たなサービスの開発も行なっていく。その1つとして、AIによる画像認識技術を用いておすすめメニューを提案し、クーポンも発行するデジタルサイネージ「幸楽苑 UmaAIくじ」を試験的に導入していくことも明らかにした。

「UmaAIくじ」で自分にぴったりのメニューがわかる!?

1月28日に行なわれた発表会では、楽天に在籍していたこともある幸楽苑ホールディングス 代表取締役社長の新井田氏が登壇。今回の楽天との取り組みを「新しいチャレンジ」と位置付けたうえで、「当社が目指す未来の飲食店、外食産業の第一歩を踏み出したい」と宣言した。

今回の楽天ポイントカード導入を機に楽天との協力関係を強化し、さらに東北に本拠がある企業としてプロ野球チーム東北楽天ゴールデンイーグルスとのコラボレーションも計画しているという。

幸楽苑ホールディングス 代表取締役社長 新井田 昇氏

楽天と共同で開発するAI技術を活用したサービスについては、まずはデジタルサイネージ「幸楽苑 UmaAIくじ」を店舗に試験導入する予定。画像認識で人物の性別や年齢などを推定し、その結果を元におすすめメニューを提案したり、クーポンを発行したりする。これ以外にも、今後はAIによって来店客の属性を正確に把握し、商品開発につなげることも考えられるとした。

現在開発中の「幸楽苑 UmaAIくじ」のデジタルサイネージ
今回展示していたサイネージでは、あくまで開発機として、顔認識用にXbox One用Kinectセンサーを使用していたが、本稼働時には別のハードウェアが使われる可能性もあるとのこと

また同氏は、幸楽苑を含む日本の外食産業では海外に比べてキャッシュレス化が遅れているとも指摘。QRコード決済やその他のスマートフォンによる事前決済サービスなど、「お客様の利便性を考えると(決済手段に)バリエーションがあった方がいいと思う」と述べつつ、「一気に(全店舗をキャシュレス化する)というわけにはいかないが、楽天のテクノロジー、サービスと連携しながら進めていければ」と、将来的なキャッシュレスサービスへの対応もにおわせた。

発表会では楽天 代表取締役会長兼社長の三木谷氏も登壇し、幸楽苑での楽天ポイントのスタートについて感謝の言葉を述べるとともに、幸楽苑におけるAIを使った今後の取り組みについて「(サービス・システム開発などを)全力でやらせていただこうと思っている。新しい食のサービスを今後2社の間で展開できていくことを本当にうれしく思っている」とコメントした。

楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史氏

さらに、楽天のリソースを活用することで「幸楽苑への集客や、いろいろなデータを使ってメニューの開発などにも貢献できる。単純に支払う(サービス)だけじゃなくて、エンターテイメント性のあることも追求していければ」などと語り、「AIを使った店舗内でのエクスペリエンスの向上」にも役に立ちたいと話した。

新井田氏が自ら「UmaAIくじ」の写真撮影にチャレンジ
画面の前に立つと全身が認識され、幸楽苑の料理を背景に写真を撮ることができる
印刷された写真は割引クーポンにもなっている
UmaAIくじでは自分にぴったりの料理メニューも教えてくれる。現在のところ年齢と性別を推測し、それを元におすすめメニューを判断しているとのこと