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「AI渋滞予知」がアクアラインの渋滞を予測。30分単位の予測所要時間をドラぷらで配信

NEXCO東日本とNTTドコモは、東京湾アクアライン(以下、アクアライン)で実証実験中の「AI渋滞予知」をリニューアル。30分単位での時間帯別のアクアライン通過に要する時間と交通需要の配信を12月22日から開始する。人口統計により把握した当日の人出から数時間先までの高速道路の所要時間および交通需要を予測する世界初の技術により実現したという。

アクアラインは、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ高速道路。アクアラインでは、携帯電話ネットワークの仕組みを利用して作成されるリアルタイム人口統計と、NEXCO東日本が保有する過去の渋滞実績および規制情報等をかけ合わせ、ドコモがAI技術を用いて開発した「AI渋滞予知」により、帰宅時間帯の渋滞を予測する実証実験を、2017年12月から行なっている。

AI渋滞予知は、正午時点の房総半島一帯における人出に基づき、14時から24時までのアクアライン上り線(川崎方面)における渋滞を予測。予測した渋滞の開始時刻やピーク時の渋滞距離等の情報を、NEXCO東日本のWebサイト「ドラぷら」で配信することで、利用者の行動変化や渋滞緩和効果等を検証する。

ドラぷらでの配信イメージ。左が予測所要時間の提供画面、右が予測交通需要の提供画面

従来の渋滞予知の利用者のアンケートでは、全体の約90%の利用者が、アクアライン利用時にAI渋滞予知を活用したいと回答するとともに、時間帯ごとの情報や所要時間の提供に関する要望があり、要望等を踏まえて本技術を開発したという。

本技術の開発により渋滞予知の精度が大幅に向上したというデータを公表。渋滞があると予測した時間帯において、所要時間の誤差が30分以上となる時間帯の割合が、NEXCO東日本が過去の渋滞実績をもとに作成・公開する従来の渋滞予報カレンダーの8.2%に対して0.8%、20分以上となる割合が26%に対して6.7%となり、また、実際の交通量に対する予測交通需要の誤差は9%(10分当たり平均16台)となっている。

渋滞があると予測した時間帯の予測所要時間と実績の誤差

データの評価対象は2015年1月1日から2018年9月30日(事故や規制の発生日を除く)。渋滞がある時間帯とは1km以上の渋滞(渋滞時速度20kmと仮定)に相当する所要時間増が予測された時間帯。これまでのAI渋滞予知については、渋滞開始時刻、ピーク時刻、渋滞解消時刻、最大渋滞長をもとに計算。

渋滞は、各時間帯において道路を通過しようとする車両台数(交通需要)が、道路が流せる交通量(交通容量)を上回ることによって発生。交通需要を予測することで、交通量が多くなり混雑が予想される時間帯がわかるため、それを避けた利用がしやすくなるという。