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セイコー、漆芸・白檀塗を用いた腕時計。世界限定2,000本で発売

セイコーウオッチは、本格機械式時計ブランド「セイコー プレザージュ」から、古来より漆芸に用いられてきた技法である、独特の飴色を生む「白檀塗」をサブダイヤルに施した数量限定モデルを12月8日に世界限定2,000本で発売する。価格は270,000円。

プレザージュで採用されている漆黒のダイヤルは、金属と漆を直接結びつける製造手法と、平滑面を生み出す古来伝承の技を組み合わせ、何十回も塗りと研ぎを繰り返すことにより生み出されている。ダイヤルに塗る漆は光沢をたたえつつも、針の動きを邪魔しない厚みに仕上げる必要があり、高度な技術が必要とされる。

ベースとなる漆黒のダイヤルに、伝統的な漆芸である「白檀塗」「蒔絵」を施した本作は、漆芸家 田村一舟氏が監修。受け継がれる技法と現代の製造技術の融合により実現したという。

漆芸家 田村一舟氏

本作には表現手法として、「金属のダイヤルに敷かれる黒漆」「独特の飴色を生む白檀塗」「優美な金色の蒔絵」と3種におよぶ漆芸を採用。

漆黒のダイヤルの上に、「白檀塗」と呼ばれる、古来より伝わる伝統的な漆芸があしらわれている。3時と6時に位置するサブダイヤルの独特の飴色は、白檀塗が有する特有の色味。

下地となる漆ダイヤルに接着剤としての漆と重ねるように金属粉を塗布し、何層にもわたって、褐色味を帯びた透漆の塗りと研ぎを繰り返すことによって、まるで暁の空を切り取ったかのような飴色が生まれる。

9時位置の金色の曲線には、白檀塗と同様に、漆地に接着剤となる漆を施し、その上から金色の金属粉を蒔いて固めることで加飾する「蒔絵」が施されている。

3時、6時位置のサブダイヤルには白檀塗の飴色。9時位置には蒔絵の金色の曲線。

ケースは、漆の美しさを引き立てるよう、筋目と鏡面に仕上げを分けた研磨が施されている。ダイヤルを覆うガラスには、どの角度から見ても漆の魅力を損なうことのない、デュアルカーブサファイアガラスが採用。セイコー独自の光の反射を抑えるスーパークリア コーティングを施している。

また、三日月を模した金色の弓なりがデザインされたシースルーバック仕様の裏ぶたからは、回転錘の動きやてんぷの動きが見える。加えて、数量限定モデルの証であるLimited Editionの文字と、0001/2000から2000/2000までのシリアルナンバーが記され、桐箱に収められている。

ケース径は40.5mm、厚さは12.8mmでステンレススチール製。パワーリザーブは約45時間。

裏ぶた