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「パーソナル暖房」最新トレンド 自宅でもオフィスでも使えて電気代も節約
2025年11月27日 08:20
「ちょっと寒いな」と感じる晩秋や春先、エアコンと併用して温かさをアップさせる冬と、長く寒さをしのげるパーソナル暖房。自宅だけでなく、オフィスなどで使う方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、多種多様な暖房器具を取り揃えるビックカメラ 有楽町店・家電コーナーの森廣敦さんに、パーソナル暖房のトレンドやおすすめの商品を聞いてきました。
「セラミックヒーターについては、節電タイプのニーズが多いです。ワット数が決まっているので省エネに繋げるのは難しいところですが、人感センサーや室温センサー付きでムダに温めることを防ぐモデルをご案内しています。また、電力消費量を抑えるために毛布やあんかなどを併用する方が増えていて、お問い合わせも多いです。今年は光熱費も上がっているので、ランニングコストを気にされる方が増えているように感じます」
複数のセンサーでムダな電力をカットする省エネファンヒーター
まずは即暖性の高さで人気のファンヒーターから、複数のセンサーを搭載したモデルをご紹介。アイリスオーヤマの「大風量セラミックファンヒーター」は人感・室温と2つのセンサーでムダなくパッと温めることができる人気モデルです。
「他のメーカーのものと比べると風量が強いので、脱衣所などで使っていただくとしっかり、素早く温めることができます。人がいなくなってしばらくすると電源がオフになり、戻ってきたらまたオンになる人感センサー、設定温度になると電源がオフになる室温センサー、消し忘れ防止になる切タイマーが付いているので、すべてを併用すればムダな電力を徹底的に省くことができる優秀モデル。軽量かつシンプルなデザインで、キッチンや仕事部屋、脱衣所など、さまざまな場所でご活用いただけます」
サイズは270×130×378mm(幅×奥行×高さ)、重さは2.4kg。運転中無操作から6時間経過すると自動で運転を停止し電源が切れる、切り忘れ防止機能も付いています。
複数のセンサー付きモデルで、さらにファンのお掃除までできるのがユアサプライムスの「分解して洗えるセラミックファンヒーター」です。
「温度・人感のダブルセンサーを搭載したモデルは各メーカーから出されていますが、こちらはさらに、ファンのお掃除ができるモデルです。使い続けているとヒーターのファンも扇風機の羽根と同様にホコリが溜まり、効きが悪くなったり故障の原因になったりします。このヒーターなら工具不要で簡単に分解でき、ファンを丸洗いするだけ。これでイヤなニオイも防止できます」
サイズは265×100×370mm(幅×奥行×高さ)、重さは2kg。万が一ファンを取り付け忘れてもアラートが表示されて安全装置が作動するので安心です。
よりコンパクトなものをお求めの方には、ヤマゼンの「ミニセラミックファンヒーター」がおすすめ。このサイズで温度調整機能が付いているのもポイントです。
「省スペース設計で、場所を選ばずにどこでも使えるのが魅力です。操作系は入/切のスイッチと、低~高で温度調整ができるダイヤルのみで、とてもわかりやすくなっています。本体が倒れると自動的に電源がオフになる安全設計。卓上でも使えるサイズ感なので、PC作業などで手元を集中的に温めたい方にも最適です」
サイズは165×120×260mm(幅×奥行×高さ)、重さは1.4kg。とてもコンパクトなので狭いトイレや洗面所でも活躍してくれます。
乾燥が気になる方には機能的な電気ストーブやホットカーペットを
続いて紹介するのは昔ながらの電気ストーブ。ファンヒーターと比べると乾燥しづらく、赤外線で体を直接温めてくれるので、同じワット数でも温かく感じるのが利点です。
「なかでもおすすめは、遠赤外線の量が多いシーズ管を使用したダイキンの『遠赤外線暖房機セラムヒート』です。温まるまでに少し時間がかかりますが、多量の遠赤外線で石油ストーブ並みに体の芯から温めてくれるのが特徴。約1.8mの離れた距離まで暖かさが届くだけでなく、柔らかい温かさでストーブ特有のじりじり感がないのもうれしいところ。少し値は張りますが、パワーを抑えて運転しても体のぽかぽかが持続するので節電にもなります」
このモデルは縦向き・横向きや、上・左右に角度を変えられるのも魅力のひとつ。一人で使うときは縦向き、和室などで床に直接座るときは横向きと、シーンに合わせて使い分けができます。サイズは縦向き時342×342×663mm(幅×奥行×高さ、突起部含む)、横向き時577×342×502mm(同)、重さは8kg。
即暖性とデザイン性を重視するなら、アラジンの「遠赤グラファイトヒーター」はいかがでしょう。トリカゴのようなデザインは火傷防止の役割も兼ねていて、安全性にも配慮されています。
「トースターでもお馴染みの遠赤グラファイトヒーターを使っているので、従来の石英管やカーボンヒーターよりも早く温まります。わずか0.2秒とつけた瞬間に温まるので、エアコンが温まるまではこちらで暖を取るなど、併用されている方も多いです。また、足元が寒いキッチンなどにも最適。軽量で持ち運びも楽なので、あらゆる場所で使うことができます」
サイズは190×190×538mm(幅×奥行×高さ)、重さは1.6kg。操作部分には防滴キャップがついていて、水まわりでの使用にも対応しています。
足元の寒さ対策では、ホットカーペットも欠かせません。数ある商品の中で森廣さんが個人的にも使っているのがパナソニックの「かんたん床暖」です。
「フローリングのようなホットカーペットは上にテーブルやイスを乗せてもまったく問題ありませんし、厚みやクッション性があるのでとても快適。汚れてもすぐに拭き取れるのも魅力です。我が家では犬を飼っているので、この上で寝転がることも多く重宝しています。小さなお子様やペットがいるご家庭には、とても便利なアイテムだと思います」
1畳(ブラウンのみ)、2畳相当、3畳相当(ライトベージュ、ブラウンの2色展開)と3サイズを用意。室温センサー付きで温めすぎも防いでくれます。
体に密着させて暖を取るカイロや毛布も活用したい
パーソナル暖房で欠かせないのが毛布やカイロの小物類。どれも消費電力が小さいうえ、体に触れて暖を取るタイプなので効率良く体を温めることができます。コロナ禍では自宅用の購入が多かったのですが、最近ではオフィスで使う方も多いそうです。
「ELPA(エルパ)の『USBホットマット』はご自宅やオフィスだけでなく、キャンプ、車内など、どこにでも持ち運んで使うことができるシート型の暖房器具です。折りたたみやすくかさばらないのでバッグに入れて持ち運ぶことができ、モバイルバッテリーに繋げればいつでもどこでも使うことができます。温度は3段階に切り替えができ、温度によってランプの色が変わるので現在の温度も一目瞭然。スポーツ観戦、劇場や映画館でも座席に敷いたり、膝に掛けたりできるので、寒くて試合や作品に集中できない、ということもありません」
続いて紹介するのは、ビックカメラがオリジナルでデザインから手掛けたハッシュタグのウォーマーシリーズ。電気カイロ「ポケットウォーマー」、電気湯たんぽ「ソフトウォーマー」、電気毛布「メルティーウォーマー」の3商品を揃えており、それぞれにカフェラテ、ミルクティー、ミルクココアとミルクが溶け込むようなカラーバリエーションを用意しています。
「缶コーヒーをモチーフにした『ポケットウォーマー』は、手のひらで握るだけで手軽に暖を取ることができる携帯カイロです。USB Type-C対応の充電式で弱は45℃、強は55℃と従来のカイロよりも設定温度はやや高め。容量5,000mAhのモバイルバッテリーとしても使うことができます」
「電気で本体内部の水を温めて熱をためる『ソフトウォーマー』は、面倒なお湯の交換が不要な電気式の湯たんぽです。コードを繋いで約10分蓄熱すると、ふとん内での使用で最長約8時間温かさが持続。就寝時に使えば朝までぽかぽかが続きます。使い方は電気あんかと同様ですが、コードレスなので寝る時のジャマになりません。両サイドから手を入れられるデザインなので、手の冷えが気になる方にも好評です」
「掛け敷き両用の電気毛布『メルティーウォーマー』は、とろけるような肌触りと他にはないカラーが好評です。電気毛布は柄物が多く見られますが、これは部屋に置いておいても浮きにくいシンプルなデザイン。消し忘れ防止にもなる8時間自動オフタイマーやダニ対策機能付きなので安心してお使いいただけます。無段階温度調節機能で好みの温度に設定できるのもポイントです」
最後は、毎年話題になる着る電気毛布をご紹介。「今年は取り扱うメーカーが増えて、ラインナップも増えている」と森廣さん。シィーネットの「モコぽか 着る電気ブランケット」はボタンの付け方によってひざ掛け、ポンチョ、マント、スカートと様々なスタイルで使うことができる人気商品です。
「1時間使っても電気代が約0.8円という省エネモデルなので、『一人なのに暖房を入れるのがもったいない』という時にも便利です。2カ所あるポケットは、スマホや有線のコントローラーを入れておくのにもってこい。コンセントに繋いで使うタイプなので、家でのんびりしている時に使うのがおすすめです。これ1枚あれば、体がぽかぽかになりますよ」
物価高騰が止まらない今だからこそ、この冬は節電を目指して、あなたの生活スタイルに合ったパーソナル暖房の活用を検討してみてはいかがでしょう。
なお、価格は取材(11月13日)時点の店頭価格です。


























