ミニレビュー

足元ヒーターの最適解? 折り畳めるパネルヒーターを試す

コロナ禍で自宅リモートワークが増えた、そして電気料金の値上げも気になる。そんな人に検討してほしいのが、デスクやテーブルの下に設置できるパネルヒーターです。

今回は、LaFutureのパネルヒーターを試してみました。楽天で購入でき、価格は5,980円です。

LaFuture「パネルヒーター」は、3面で構成された“ついたて型”。上下はないように見えますが上下はあって、コントローラーが右側に来るように設置します。上下が逆、もしくは45度以上傾いた状態では安全装置が働き加熱しません。

LaFuture「パネルヒーター」。サイズは、約100×51×1cm(幅×奥行き×高さ)

11月の東京、うすら寒い日に自分のデスクの下に設置して使用してみました。温度調節は3段階、「高」が60~70℃、「中」が50~60℃、「低」が40~50℃とあります。AIによる温度管理で、設定した温度域を正確に維持するそうです。当然ですが、これは発熱素材自体の温度であり、実際に感じる温度ではありません(サウナじゃないんだから)。

操作はシンプルすぎて説明不要かとも思われますが、電源ボタンを押してオン、再度押す度に「高」→「中」→「低」と切り替わります。椅子に座った状態だと手を下に伸ばすのが少し億劫ですが、温度設定は赤・緑・青とランプの色が変わるので、薄暗い机の下でも認識しやすいです。

温度調節は3段階。色が変わるので机の下が暗くても判断できる

さて温かさですが、一般的なヒーターに比べて、ふんわりとした暖かさを感じます。関西弁で言うと「ぬくい」です。決して熱すぎることがなく、足元が穏やかに温まるので、仕事の集中力が妨げられることがありません。音が一切しないのも仕事環境向きでしょう。

また、電気ブランケットのように足元が拘束されることがないのもメリットです。スマートウォッチをして仕事をしていると、定期的に「立って運動しましょう」的な通知が来るのですが、足元がフリーだと立ったり座ったりの際に面倒さがありません。とはいえ、ブランケットをパネルヒーター本体の上部からヒザにかけて使用することも可能で、そのへんはお好みかなと。

倒れない限り角度は自由なので、フットレストを置いた状態でも問題なく使用できる

音がしないので、うっかり電源を切り忘れてしまうこともありますが、4時間で自動オフされるので後悔は少なくて済みます。9~17時の仕事なら、電源が昼過ぎに切れるので、入れ直してそのまま帰っても問題ありません。

ちなみに定格出力は180Wで、電気代は1時間あたり4.86円(温度設定「高」・27円/kWhの場合)。8時間使用したとして38.88円。電気料金が今後上昇したとしても、家計に大きく響くレベルではありません。

これまで机の下で使う暖房器具をいくつか試してきましたが、トップクラスに使いやすく、暖かさもちょうど良い。価格も手頃なので、実際に購入してみようと思いました。

仕事の机だけでなく、ダイニングテーブルやリビングのソファーでも使えるでしょう。室温はあまり上げたくないが個人的に寒さを感じるだけ使いたいというシーン、例えば高齢者施設などでも役立ちそうです。

畳めば平らに。コードの長さは約140cm
適当な隙間に収納できる

最後に、前回レビューしたデロンギのパーソナルファンヒーター(カプスーラ デスク セラミックファンヒーター HFX12D03)との違い、使い分けについても書いておきます。パワーはデロンギの方が強いので、室温自体がかなり低く、外から寒い風が入ってくるような環境ではデロンギの方が有利です。

ただ、オフィスや自宅などで室温が一定以上ある空間で長時間使うことが前提であれば、このパネルヒーターの方が適しています。まったくの無音ですし、なんといっても電気代も安くお財布に優しいですからね。

小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>