ミニレビュー

スイッチオンで即暖房 コスパ最強のアラジン遠赤グラファイトヒーター

アラジン グラファイトヒーター「AEH-G407N」

どれだけ歳を重ねても、冬場のいつ頃から本格的に寒くなってくるのかは、いまいち把握できていなかったりするものです。毎年正月頃には「なんだ、今年の寒さはこんな程度か」と油断していたところ、1月も後半になるとめっきり冷え込んできて、あわてて暖房器具を引っ張り出すのが恒例になっているのは、筆者だけではないでしょう。

今回紹介するアラジン(Aladdin)「AEH-G407N」は、そんな冬場にぴったりな、ちょっとした暖を取るのに最適な遠赤グラファイトヒーターです。'22年秋に発売され、国内で企画設計された本製品、現物を購入して1カ月ほど試した結果、暖房器具として非常に優秀であることが分かりましたので、その使用感をお届けします。

今回購入したのはグリーンで、購入時価格は6,980円でした。

本製品は、高さが50cmちょっと(53.3cm)という、コンパクトなタワー型ボディが特徴です。本体上には出力を2段階で切り替えるスイッチが付いており、ここをオンにするとボディ正面のヒーター部が発熱し、暖を取れるという仕組みです。

2Lペットボトルとのサイズ比較。高さは50cmちょっととコンパクト
横から見たところ。スリムなタワー形状が特徴。電源ケーブルは1.5m
ロータリー式のスイッチでOFF→200W→400W→OFFを切り替えます
ベース部は幅および奥行き18cmとこちらもコンパクト

本製品の大きな特徴は、低消費電力でありながら発熱量が非常に大きいことです。消費電力は200W/400Wの2段階切替と、暖房器具としてはコタツ並みに控えめですが、200Wでもかなり暖かく、400Wとなると小さな部屋ごと温められるほどです。電気を熱に変換する効率が相当よいのだろうと考えられます。

またスイッチをオンにすると、瞬時に暖かくなるのも優れたポイントです。ファンヒーターのように、オンにしたあとしばらくは冷風が吹き出すのを耐えなくてはいけないこともありません。これならば、脱衣所やトイレなど、常時滞在していない部屋に設置しておき、使いたい時にすぐ使う用途にも十分対応できます。ヒートショック対策にも有効です。

さらにボディも1.3kgとノートPC並に軽く、部屋から部屋へと移動させるのも簡単です。背面には取っ手もついていますので、こうした持ち運びも想定されていることがわかります。ケーブルを収納する機構はありませんが、これらに引っ掛けておけば、収納時も邪魔になりません。

200Wの状態。ヒーターが発光します。傾くと運転が自動停止する安全機能も搭載
400Wの状態。より熱量が上がり、明るくなります
200Wでの運転状態を正面から見たところ。取扱説明書には1mは離れるよう記載されています
400W。かなり眩しい状態になります。ちなみに運転時はつねに無音です
背面には取っ手があります。保管時には電源ケーブルを引っ掛けておけます

一方で、相当な発熱量があるため、長時間続けて体の同じ面を暖めていると、低温やけどの危険は少なからずあります。取扱説明書では、正面は必ず1mは離れるよう記載されています。

また、本体正面のヒーター部はガードで覆われていますが、そのガード自体が手では触れられないほど熱くなるため、小さな子供やペットのいる家庭では、利用にはより慎重になったほうがよさそうです。

ガード部は運転中は触れられないほど熱くなります。取り外しも可能

またオイルヒーターと違って指向性があるため、室内をまんべんなく暖める用途には使えません。ボディサイズに見合わないパワーがあるので、小さな部屋なら結果的に全体が温まってしまうこともあるのですが、輻射熱で部屋全体をムラなく暖めるオイルヒーターと違い、温度が上昇するのは基本的にヒーターのほうを向いている面だけです。この違いは理解しておく必要があります。

実売6~7千円というリーズナブルさも光るこの製品、秋の発売からネットでも大人気で、いまも品薄状態が続いています。筆者もあちこち探し回ってようやく手に入れました。在庫数はカラーバリエーション(グリーン/ホワイト)により差があるようですので、探しているけどなかなか在庫が見つからないという方は、別のカラーをチェックしてみてもよいかもしれません。

山口真弘