ミニレビュー

在宅勤務にパーソナル暖房 デロンギの卓上ヒーターが心地良い

デロンギ カプスーラ デスク セラミックファンヒーター HFX12D03

うっすらと寒くなってきた11月、デロンギ・ジャパンのパーソナルファンヒーター「デロンギ カプスーラ デスク セラミックファンヒーター HFX12D03」(長いので以下、カプスーラ)を試用してみました。実売価格6,200円となかなかお手頃です。

カプスーラはデスクの上や足元で使うことが想定された製品で、昨今流行りの「パーソナル暖房」というやつですね。在宅勤務が浸透し、仕事部屋などで“自分だけを温める”需要が高まっているそうです。

今回の小型ヒーターのほかに、同じくパーソナル暖房として、折り畳めるパネルヒーターも使ってみたので、2回に分けて紹介したいと思います。

卓上や足元で使うことが想定された製品。小型です

このカプスーラは、メーカーのイメージ写真でも仕事をしている横に置かれています。デスクの上で使うヒーターとは? 手元が熱くなりすぎるんじゃないの? そんな疑問を感じながらパッケージを開封~。

カプスーラの本体サイズは、15×11×18cm(幅×奥行き×高さ)、重量0.95kg。消費電力も360Wと小さめです。例えるなら、Bluetooth接続のポータブルスピーカーぐらいのサイズ感です。本体の上部にはゴム製のストラップが付いており、簡単に持ち運べます(ただし、ぶら下げての使用は禁じられています)。

持ち運びのためのストラップはデザインのアクセントにもなっている

前面の送風口(パネル)は上向き下向きに角度を調整できます。左右には振りませんが、本体を本体の角度を変えればいいだけなので当然でしょう。

送風口をよく見ると、レゴブロックの凸凹のような突起があります。これはデロンギ独自のグリッド設計で、小さな渦をたくさん作ることで柔らかな暖気を実現するようです。

微妙にサイズの突起が設けられた送風口
送風口(パネル)は上下に角度を調整できる
背面。電源コードの長さは1.5m
フィルター。お手入れの目安は1週間に1回

手元の温風が意外と心地良い

さて、実際に使ってみましょう。操作部はかなりシンプルです。回転するつまみ(サーモスタット)が1つあるだけ。つまみを右(時計回り)に回すと電源が入り、オレンジのランプが光ります。電源を入れて、大体2~3秒で暖かい風が出てきます。けっこう早いのではないでしょうか。

ファンの音は控えめで、机の上で使ってもうるさいとは感じません。ノイズキャンセリング機能のついたイヤホンをすれば全く聞こえないでしょう。

数字の表示もないシンプルなつまみ(サーモスタット)。タイマーの機能もありません

ちなみに、つまみは右に回すほど温風の温度が上がったり、風量が強まったりするわけではありません。カプスーラは目安となる温度に達するとサーモスタットで運転を休止するのですが、このタイミングを調節するためのものです。左に回すほど運転休止しやすくなり、右に回すほど連続して運転させることができます。シンプルです。

温風は刺すような熱さではなく、穏やかな暖かさです。手元の近くでも熱くない。さらに、手元だけではなく、胸もとやお腹にも暖かな温風が届きます。これが実に心地良いのですよ。

机上で使っても体の中心部が暖かくなる。これは意外な発見でした。使う前は机の上でヒーターなんか使わないよなーと思っていましたが、完全に考えが覆りましたね。

机上で使っても手が熱くならず、心地よい温風が胸やお腹に送られてきた

もちろん足元で使うのもよし。足との距離が短くても熱すぎず、心地の良い暖かさが長時間にわたって持続します。足で蹴って倒してしまっても転倒時OFFスイッチが作動するため安全です。

足温器よりもスペースを取らず、足が自由なのもメリットです。キッチンで作業するときに使うのも良さそうですし、販売など立ち仕事の現場でも役立つでしょう。

部屋全体を温めるほどのパワーはありませんが、パーソナルな空間で、自分自身の体を温めるのには最適なヒーターでした。次回は折り畳めるパネルヒーターを使用し、それぞれどういった人に向いているか検証したいと思います。

足元に置いても邪魔にならない
転倒時OFFスイッチ
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>