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「#ワークマン女子」がダサいは古い? Colorsへの期待【Watch+】

9月1日に開催されたワークマンの2025年秋冬新製品発表会

9月1日にワークマンの2025年秋冬新製品発表会が開催されました。上下で3,800円のリカバリーウェアや、新業態「Workman Colors」の新商品、着る断熱材を謳う「XShelter」シリーズなどが紹介されており、値段はどれも大体3,000円前後、高くても9,000円台と安定のワークマンクオリティの商品が並んでいました。

#ワークマン女子からWorkman Colorsに

ワークマンといえば、作業服、作業用品を扱わない一般客向け店舗「#ワークマン女子」という店名を、「Workman Colors」に順次切り替えることを今年の1月に発表したことも話題となりました。

一部では「#ワークマン女子は失敗だった」「男性用の服をそのまま女性サイズにしてほしかったのに微妙にアレンジされてダサくなっている」という声もあります。

しかし、#ワークマン女子は失敗だったわけではありません。同店は店名に「女子」と付いていますが、男性用やジュニア用なども取り扱っている店舗です。元々ワークマンが不慣れとしていた女性客を取り込むためにつけた店名で、女性客の獲得に大きな効果があったそうです。

2020年の始動時は首都圏を中心に展開し、徐々に地方への出店を推進。2024年秋には、人口3~8万人の地方都市に路面店として11店を新規に出店し、全店で全国平均の売上を上回りました。

2020年の「#ワークマン女子」始動時は首都圏を中心に展開。写真は2022年6月にオープンした池袋サンシャインシティアルパ店

こうした取り組みから女性客は拡大できました。しかし、「女子」という店名により、男性製品を取り扱っているというイメージが付かず、開店当時には男性物を扱っているかという問い合わせも殺到したそうです。本来の目的であった女性客の取り込みと地方への拡大には一定の成果があったことから、ワークマンは「#ワークマン女子」という店名を「Workman Colors」に徐々に変更することを決定しました。

1月に店名変更が発表され、現在は徐々に全国の「#ワークマン女子」が「Workman Colors」に変わっていっています。8月31日時点では、全国で32店舗が「Workman Colors」、70店舗が「#ワークマン女子」という状況です。

なお、「#ワークマン女子」専売として投入していた商品は、レディースは好評でしたが、メンズは派手すぎて買いにくいという声があったようでシンプルなデザインを増やしているとのこと。

Workman Colorsのテーマが「快適普段着」ということもあり、実際に秋冬発表会で見たメンズ商品はシンプルなデザインのものが多い印象でした。

秋冬発表会で目玉商品として展示されていた「Workman Colors」メンズ商品。スキニーパンツながら伸びる素材を採用し、快適性にこだわっています

レディース商品はダサいのか

もう1つ、SNSでたまに見かける「ワークマンのレディースがダサい」については、秋冬発表会の製品を見た筆者の感覚では「ほんの数年前と比べても改良されている」と思いました。そして「たまにチグハグなところもあるけど、女性目線で開発していることが伝わる」ということです。

9月1日の発表会当日に掲載したニュースでは紹介しきれませんでしたが、展示されていたなかでも「本当にこれワークマン?」と思えるほどだったのが、「XShelter 断熱α レディース防水ウォームアウター」(4,900円)と「XShelter 断熱β レディースウォームブルゾン」(3,900円)です。

XShelter 断熱α レディース防水ウォームアウター(左)
XShelter 断熱β レディースウォームブルゾン

ウォームアウターはベージュ、グレー、ブラックの3色で、ゆるっとしたシルエットがトレンドを感じさせます。大きめの襟にはフードが収納されており、フードあり/なしどちらでも着られるのもありがたいです。

高いアウターを長く着るのも良いですが、数年後には流行りが変わってしまうかもしれないデザインのものは安いもので十分かな、と筆者は思うので、そういったニーズに応えてくれる商品だと思いました。

ウォームアウター。ベーシュ、グレー、ブラックの3色展開
大きめの襟にはフードが収納されています

ウォームブルゾンはベージュ、グレー、ブラック、カーキの4色。デザインの好き嫌いは個人差があると思いますが、筆者はこちらの商品を見て最初の感想が「いい意味でワークマンっぽくない」というものでした。

一昔前のワークマンだったら、なんかもうちょっと絶妙なダサい細工があって、これは買わなくていいかな、と思う部分があったと思うのですが、このウォームブルゾンにはそういった細工がなく、使う期間が短いちょっと寒いくらいのアウターとして3,900円は理想的だと思いました。

ウォームブルゾン。ベージュ、グレー、ブラック、カーキの4色展開

なぜ「一昔前のワークマン」と表記したかというと、2022年6月にワークマンで買ったマウンテンパーカーに思うところがあったからです。当時は子供が1歳でベビーカーを使用しており、雨の日のベビーカーで傘が差しづらいからワークマンで防水アウターを買おう、と思い池袋の#ワークマン女子に行ったことがあります。

そのときに、値段的にワークマンで済ませたいけどコレ! と思えるデザインがない! という経験をし、ギリ許せる、と思って買ったマウンテンパーカーがありました。

そして今回の秋冬発表会で、そのときに買ったマウンテンパーカーと似たテイストながら、デザインもカラーバリエーションも改良された商品「撥水ペアマウンテンパーカー」を見つけたのです。

今はもう子供はベビーカーに乗らなくなり防水アウターもそこまで必要ではなくなりましたが、あのときにこのデザインがあれば……! と思える商品がそこにはありました。「ワークマンのレディースは頑張っている」と筆者が思っているのはそういった経験も関係しています。

2022年に#ワークマン女子で買ったマウンテンパーカー。色が派手だな……と思いましたが試着してみると意外と馴染んだので、許容範囲ということで購入しました
今回の秋冬発表会で展示されていた「撥水ペアマウンテンパーカー」。子供用(左)と大人用(右)があります。2022年の商品とデザインは似ていますがシンプルになっています。カラーも合わせやすい色合い

ちなみにこの「撥水ペアマウンテンパーカー」は、ペアと商品名につくだけあって、キッズサイズで同じデザインのものがあります。しかも親子でドッキングできるようになっており、子供用の背面のファスナーと大人用の前面のファスナーを合わせることで、抱っこ紐で子供を抱っこするときにブランケットのように使えるのです。

マネキンで展示されているのを見て非常に画期的だと思ったのですが、この子供用のサイズは120cm~とのこと。120cmは大体6~7歳くらいの子供用ですが、抱っこ紐を使うのはせいぜい1歳半くらいまで。

ブランケットとして使ってから、実際にパーカーとして使うまで短くても5年は寝かさないといけないのがちょっと不思議でした。いや、ズッコケたのが正直なところです。「たまにチグハグなところもあるけど」と上述したのはこの点です。1歳児でもアウターは着ますので80~90cmで作ってくれてたら良いのにな、とは正直思いました。

とはいえこうした工夫がある製品は、実際に育児をしている人からじゃないと生まれないはずです。デザインの改良もそうですし、この数年でもワークマンは進化しているんだな、と筆者は感じています。

子供用(左)には背面ファスナーが付いています
大人用の前面ファスナーと子供用の背面ファスナーを合わせます
着用すると、子供を抱っこ紐で抱っこする際に雨や風をしのげるようになります。サイズが6~7歳向けの120cmからしかないのが惜しいポイントでした

ちなみに過去にかなりバズった撥水スカートはプリーツタイプのみしかなかったのが、秋冬発表会ではプリーツではないプレーンなタイプが登場していました。プリーツタイプはウエストの紐も変な柄だったのですが、プレーンタイプは紐もシンプルになっています。こちらもかなり感動した商品です。

2022年に購入したワークマンの防水スカート。プリーツタイプで紐は変な柄でした
2025年秋冬発表会で展示されていた防水スカート「エニライトレインスカート」。プレーンなタイプで紐もシンプルになっています

ちなみに秋冬発表会で話題を集めた上下で3,800円のリカバリーウェアは、当日はレディースはパープルのみ、メンズはブラックとグレーがありますと案内されたのですが公式サイトを見るとどうやらレディースもブラックとグレーがある模様。

メインのビジュアルではパープルが推されているのですが、基本ノーメイクで着る部屋着で薄めのパープルはハードルが高いと感じたので、レディースのリカバリーウェアにもブラックがあることをもっとアピールしてほしいなと思いました。

顧客の意見を取り入れて改良を重ねるワークマンの取り組みは、年単位で取材をしていると見えてくることが多々あります。どの商品をオシャレ/ダサいと感じるかは人それぞれですが、次回はおそらく春夏に発表されるであろう新商品にも期待したいと思います。

リカバリーウェア
当日はレディースはパープルのみと案内されていましたが、レディースのブラックとグレーもあるようでした

ワークマン リカバリーウェア レディース

西村 夢音