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通勤バッグは今コレが売れている! 主流は軽くて丈夫なリュック

ビジネスで使うバッグは毎日同じ、という人も多いと思います。でも毎日使っているとバッグはヘタってくるし、飽きてもくるので、新生活が始まる春に新しいものに買い替えてリフレッシュしてはいかがでしょう。そこで今回は、ビジネスバッグのラインナップが豊富なハンズ渋谷店のバッグ担当・安土知宏さんに、最近のトレンドやおすすめ商品を聞いてきました。

「ビジネス用途でも、一番の売れ筋はリュックです。リュックはカジュアルなイメージがあるため数年前まではオン・オフでの使い分けが必要でしたが、ここ数年はビジネスシーンでも抵抗なく使えるようになったことが人気に繋がっているように思います。なかでも、お客様がビジネスバッグ購入の際に重視しているのは、耐久性や軽さです。その声に応えるように最近のモデルは丈夫で軽いものが増えていて、ポケットの数や配置にこだわっているものも多く見られます。プロテクト付きのPCポケットはもちろん、ガジェットを収納するポケットの位置などもリュックの形が崩れないように工夫されているんですよ」

ハンズ渋谷店 安土知宏さん

リュックが主流となっている今は、有名なアウトドアメーカーでもビジネスで使えるようにPCポケットを搭載しているモデルが多くリリースされているそうです。それでは、お客様のニーズや今期の特長を踏まえて、安土さんにおすすめモデルを紹介してもらいましょう!

ハンズ渋谷店 バッグ売場(東京都渋谷区宇田川町12-18 1C)

人気の2トップ、吉田カバンとエースの人気商品

最初に紹介するのは、耐久性抜群でとにかく見た目がカッコイイ、吉田カバンの『ポーター ストレージ デイパック』です。ハンズと吉田カバンが共同開発したビジネスシリーズで、本体はコーデュラ エコメイドキャンバス生地に耐水性の高いPVC加工を施したオリジナル素材を採用しています。

吉田カバン共同開発 PORTER ストレージ デイパック(S)ブラック

「ストレージシリーズでこの素材を使っているのがハンズオリジナルの特長です。摩耗や引き裂きにも強く、耐久性や撥水性を高めているのにカッコいいところがポイント。ファスナーの引き手には板バネが入っていてボディにぴったりとくっついたり、ビジネスとしての収納も十分に備えていたりと、細かな工夫まで気が利いています」

PCやタブレットを収納できるほか、スマートフォン対応サイズのモバイルポケット、着脱可能なキーホルダーも装備

サイズは26×35×10cm(幅×高さ×奥行)、価格は34,650円。表生地の程よい光沢感も上品でいい感じです。

続いては吉田カバンとともにビジネスバッグの双璧といえる、エースが登場。具体的な要望がなく、「ビジネスバッグでおすすめのものは?」と聞かれたら、まずはエースを紹介すると安土さん。今回は、エースの中でも売れ筋の『ガジェタブル バーテクト』をすすめてくれました。

エース ガジェタブル バーテクトシリーズ。左手前は9L、右は13L、左奥は15L

「抗ウイルス・抗菌機能搭載で、ポケットには抗菌加工の生地を使用しているのでマスクなど清潔に持ち運びたいものも収納できます。PCもペットボトルも専用ポケットに収納できるなど、欲しい機能はほとんど揃っていますし、ポケット位置が工夫されているのでバッグの形を崩さない。業界の老舗が出している人気シリーズだけあって、信頼性の高いバッグに仕上がっています」

メイン収納部はスーツケースのように全開になる
前持ちにした時でも楽に出し入れできるサイドポケット付き

サイズは9Lが26×35×9cm、13Lが28×39×10cm、15Lが30×42×10cm(幅×高さ×奥行)、価格は9Lが26,400円、13Lが28,600円、15Lが29,700円。

もう一つ、エースの商品でおすすめがあると安土さんが持ってきたのが、素材違いの『ガジェタブルヘザー』です。

杢調生地を採用したエース ガジェタブル ヘザー 3WAY 14L

「お客様の好みによって表生地を選べるのもエースの魅力です。このガジェタブルヘザーはファブリック調の生地を採用しているので、ツルッとした生地は好みではないけれど、水に強い素材がいい、という方におすすめしています。スーツ生地とハレーションを起こさない点や、裏面をPVC加工にしたことで耐水性が高くなっているところもポイントです」

サイズは40×29×10cm(幅×高さ×奥行)。価格は29,700円。他のラインナップもあるので好みに合わせて選んでくださいね。

スタイリッシュな海外ブランド「WEXLEY」にも注目

吉田カバン、エースの2トップに迫るほど人気急上昇中なのがフランス・パリ発祥のメーカー、ウェクスレイ(WEXLEY)です。オフィスカジュアルな感じですがデザインがスタイリッシュで、多彩なモデルがそろっているのが魅力。なかでもおすすめは一番人気の『ステム』だと安土さん。

ウェクスレイ ステム バックパック コーデュラ コーテッドブラック

「このモデルの魅力は、PC収納や充実のポケットなどビジネスに必要な基本を抑えながらもバッグ自体のデザインが美しいところです。縦・横・厚みのバランスが絶妙で、中身を入れてもリュック特有のカメのようなボコッとした形にならず、とてもスマート。背負ってみるとカッコよさが引き立つので、このメーカーの商品が気になっていそうなお客様には『ぜひ背負って、鏡で見てください』と声をかけています」

内部にはジッパー付きポケット、メッシュポケット、ベルクロ付きポケットを搭載
約15型までのPCやタブレットを収納できるパッド入りポケット
背面には「3Dハニカム成形EVAバックパネル」を採用。接触面積を減らすことで背中への負担を軽減

サイズは29×48×16cm(幅×高さ×奥行)。価格は15,950円。中の生地がイエローで見やすいのもポイントですね。

人気のステムには、330デニールのコーデュラ素材を使ったハンズオリジナルモデルもあります。価格にも機能にもこだわりを持ってつくっているので、バッグ選びの際にはぜひチェックしてみてください。

ハンズオリジナル ウェクスレイ ステム バックパック グレー(13,750円)。サイズは29×48×16cm(幅×高さ×奥行)

ウェクスレイは海外メーカーのため少し大きめのサイズが主流ですが、もう少しコンパクトなものを、という方には最近発売された『シェルドレイク』がおすすめ。

ウェクスレイ シェルドレイク バックパック フルコーデュラ ブラック

「ステムのアップデート版ともいえる、仕事にもレジャーにも使えるシーンを選ばないモデルです。コンパクトなサイズながら容量は約17Lと使い勝手がよく、また生地のカジュアルな印象も人気のポイントになっています」

コンパクトながら15型相当までのPCも収納可能

サイズは27×46×16cm(幅×高さ×奥行)。価格は18,700円。

「ステムにもシェルドレイクにも付いていますが、ウェクスレイの特長はサイドポケットにスキミング防止の加工が施してあることです。海外出張時はサイフをここに入れておけば安心なので、スーツケースと一緒に持っていくサブバッグとしても魅力的です」

ウェクスレイのほとんどのシリーズで装備しているスキミング防止のRFIDブロッカー付きサイドポケット

機能が充実! 優良メーカーとコラボしたハンズ別注モデル

次に紹介してもらったのは、スターツ(STARTTS)という新進メーカーのハンズ別注モデルです。有名なバッグメーカーから独立して3人で立ち上げた東京のメーカーで、「いいカバンを手頃な価格でつくりたい」という信念を持っている、安土さんも注目しているメーカーだそう。

スターツ×ハンズ ビジネスデイパック HP-03 ブラック

「バッグ本体が軽く、厚みのないモデルを別注オーダーしてつくったものです。コストパフォーマンスが非常に良く、他のメーカーではやっていないような小技を使ってバッグをつくっています。強撥水コーティング加工を施した生地を使用し、ファスナーも水が入りにくいものを採用。正面のポケットは止水ファスナーなので、大事なものを水濡れから守ってくれます。充実の機能を搭載しているのに720gと軽く、コンパクトなのに15型PCやB4まで収納できる大容量です」

正面には止水ファスナーポケットを装備。スマホやワイヤレスフォンを入れても安心
内側のポケットは使いやすさや収納性を考えて配置されている

サイズは28×38×14.5cm(幅×高さ×奥行)。価格は14,300円。

続いては、創業70年を超える老舗バッグメーカー、ロワードのハンズオリジナルモデルです。この商品のポイントは、なんといってもバッグとは別に使えるPCパックが付いていること。

ロワード ハンズオリジナル PID ビジネスリュック PHZ01 ブラック
前面ポケットには携帯電話や手帳、ペットボトルなどをまとめて収納できる

「本体のリュックにぴったり収納できるPCパックは、13型PCを収納できるだけでなく、ガジェット類をきれいに収納できるポケットもたくさん付いています。本来なら3,000~4,000円しそうなクオリティのPCパックがおまけで付いてくるのですから、かなりお買い得です。しかも老舗メーカーなので縫製はしっかりしているし、ポケットも工夫してレイアウトされているから、言うことなしですね」

付属のPCパックを収納できるポケットも
13型PCが収納できるPCパック。ガジェットや文具を収納できるポケットも多数

サイズは27×38×14cm(幅×高さ×奥行)、価格は19,800円。バッグと一緒にPCパックの購入も考えている方は要チェックです。

薄くてスタイリッシュ。ハンズのこだわりを形にした「バウワーIII」

次に紹介してくれたのは、ビジネスバッグで定評のあるバーマス(BERMAS)の『バウワーIII』シリーズ。その中で特徴的な薄マチタイプをピックアップしてくれました。

ハンズオリジナル バーマス バウアーIII 薄マチリュック ブラック

「表面には耐水性があり堅牢なポリウレタンコート生地、内装には視認性の良い赤い生地を採用し、メッシュポケットを加えるなど、ハンズ用にカスタマイズしたオリジナルモデルです。なかでも『薄マチリュック』は驚くほど薄いのに収納力があるので、荷物の少ない日は気軽に使えるこのモデルがあると便利だと思いますよ」

同シリーズのリュックS(右)と薄マチリュック(左)を並べると薄マチの方がかなり薄い印象
メイン収納が大きく開き、荷物の出し入れがしやすい

薄マチリュックのサイズは30×40×9cm(幅×高さ×奥行)、価格は13,200円。なおリュックSは28×40×10cm、14,300円です。

バウワーIIIのハンズオリジナルにはブリーフバージョンもあり、こちらも極薄。最小限の荷物でもスタイリッシュに持ち歩けるのがポイントです。サイズは37×27×3cm(幅×高さ×奥行)、価格は11,000円。

ハンズオリジナル バーマス バウアーIII ポートフォリオ 71512-10
ブリーフスタイルもこの薄さ。しっかりとしたつくりでPCバッグよりもきちんと感がある

荷物が多い人は体への負担を軽減するモデルを選ぼう

テレワークが増えたことで持ち運ぶ荷物が増えてしまった、という方にはスーツケースで有名なロジェールジャパンの「Ballistic Spiritビジネスリュック」が便利です。リュックの背中部分がサスペンションのようになっているAGSを搭載しているので、荷物が重くても背中が引っ張られずに肩や腰への負担を軽減できます。

ロジェールジャパン Ballistic Spirit ビジネスリュック BS-4981
使用時の疲労を30%軽減するサスペンション構造

「歩くと体の動きに合わせて伸縮性の強いベルトが伸び縮みして体への負担を軽減してくれるのがAGSのすごいところ。15.6型のPCがしっかり収まる2ルーム設計で、突然の雨にも強い撥水生地を採用しています。売場では重いものを詰めて展示していますので、AGSの機能も実感できますよ」

15.6型のPCも収納できる2ルーム設計でポケットも充実
小物を出し入れしやすいトップポケット

サイズは31×46×12.5cm(幅×高さ×奥行)、価格は14,300円。

短い出張や遠方の冠婚葬祭にバッグ一つで出かけられる

最後に紹介するのは、出張などに便利な多機能バッグです。日本のメーカー、シムクリアがつくり上げた『TSUNAGU BAG TRAVELLER 2.0』は一見ボストンバックのようですが、180度フルオープンになり、スーツや靴まで収納できる秀作です。

シムクリア TSUNAGU BAG TRAVELLER 2.0 TSB08−GREY
180度フルオープンにできるのでスーツの出し入れも簡単。ネクタイなどの小物や折りたたみ傘、タブレットやガジェットなども収納できるポケットを用意

「短い出張や遠方の冠婚葬祭に、ガーメントケースを別に持って行かれる方が多いと思いますが、これはスーツや靴、ネクタイなどの小物まで収納できるのでバッグ一つで出かけることができます。バック自体がガーメントケースのようになっているのでスーツはシワになりづらく、靴は他の荷物が汚れないように別室に収納可能。ショルダーやリュックにもなるのでシーンに合わせて快適に持ち運べます」

通気口がついたシューズポケットはバッグの側面に
リュックスタイルでも使用可能。使わない時はスナップも含めてすっきり収納できる

サイズは52×25×30cm(幅×高さ×奥行)、価格は28,600円。機内に持ち込めるサイズもありがたいですね。

シムクリアも、「会社ではやりたいことを実現できない」と独立を決めて立ち上げたバッグ愛にあふれる会社です。社長自らが店頭に立ってお客様をご案内したいと、ハンズの売り場に立っていただいたこともあるそう。そんな会社がつくった商品だからこそ自信を持っておすすめできる、と安土さんは語ります。

最後に、ビジネスバッグを購入する際の注意点を聞いてみました。

「最近はサイズ違いのモデルを出しているシリーズも多く見られますが、店頭に並んでいる商品を見るだけと、実際に背負ってみるのとでは印象がかなり違います。例えば、SサイズとMサイズがあって、『なるべく軽くてコンパクトなバッグがいい』と試着をせずにSサイズを選んでしまう方がいますが、それはNGです」

エース ガジェタブルバーテクトのSサイズ(左)とMサイズ(右)を背負って比較。背負ってみるとかなり印象が違って見える

「見た目ではほんの少ししか変わらないと思っていても、背負うとずいぶん違うものです。とくにビジネスで使う場合、小さいとカジュアルに見えてしまうものもあるので、必ず背負って、持って、鏡の前で確認してから買うようにしましょう」

なお、記事内の価格は取材時点のものです。

中野悦子