いつモノコト

買ってよかった! アンカー防水スピーカー「Soundcore 3」 お風呂でYouTubeを浴びる

Ankerの防水Bluetoothスピーカー「Soundcore 3」。カラーバリエーションは4種類ありますが、筆者が購入したのは「グレー」のモデルです

2023年はモノの値上げがいろいろと厳しく、耐久消費財の購入には慎重にならざるを得ませんでした。本当なら仕事用のデジカメを買い換えたいし、取り付けから10年以上経ったエアコンも最新の省エネモデルにしたい。そんな欲望を抑え込んでいるところです。

そんな中でも頑張って試したり買ったりしましたが、個人的に満足度が一番高かったのが、浴室でも使える防水Bluetoothスピーカーでした。モデルはAnkerの「Soundcore 3」。3月、Amazon.co.jpのセール時に4,999円で購入しました。発売元の直営ストアでの通常価格は6,990円(編注:12月1日までのAmazonブラックフライデーでは4,790円です)。振り返ってみて、お風呂の楽しみが根本的に変わった。そう言い切れるほどのインパクトがありました。

購入のきっかけはソニー防水ラジオの廃番

いきなり自分語りになりますが、筆者はAM/FMラジオをよく聞きます。最近はポッドキャストの隆盛もあり、以前に比べると聴取時間は減りましたが、それでも就寝直前の22~25時くらいは“聞きたい欲”が高まります。

それを下支えしていたのが、歴代のソニー製防水ラジオです。このおかげで風呂タイムがどんなに楽しくなったことか。ラジオ製造はソニーの祖業といってよいかと思いますが、製品ラインナップは他メーカーと比べても今なお充実している感があり、特に防水ラジオはキッチリ作り続けてくれていました。筆者は2015年発売の「ICF-S80」を愛用していました。

我が愛機「ICF-S80」。これが故障さえしなければ……

しかし、これが突然故障。ならば買い換えよう、なんなら最新の防水ラジオが出ているかも!……と考えていたのですが、甘かった。なんとソニーのラジオ製品カタログからICF-S80がなくなっているではありませんか。公式サイトでも生産完了がアナウンス済み。直径の後継機種も見当たりません。それならば割高になっても修理を……と、実際に製品を窓口に送付したのですが「修理不能」とのことで、あえなく返送となりました。

このときの絶望感、なかなかのものでした。ずっと愛用していたモノが突然なくなる。

今なら、ハマっていたスマホゲームの運営が終了するような感じとでもいいましょうか。とはいえ呆けてばかりはいられません、これまでの生活リズムを保つなら、なにか代替機を探さねば。

あれ、防水Bluetoothスピーカーって便利じゃね?

そこでまず買ったのが、東芝ライフスタイルの防水ラジオ「TY-CB100」でした。しかし、これがどうしても馴染めず……。

このモデルは多機能っぷりがウリで、AM/FMラジオ以外にBluetoothスピーカー機能、そしてCDプレイヤーをも内蔵しています。そのため、なにぶんにもボタンの数が多い。これがド近眼な筆者とは相性が悪いのです。入浴中には眼鏡を外すため、電源を入れたり切ったりするだけでも「えーっと電源ボタンはどこかいな」と顔を近づけねばならず、手探り操作がかなり難しくなってしまいました。また、これだけ高機能なのになぜか時計機能がないのも不満でした。

東芝ライフスタイルの防水ラジオ「TY-CB100」。多機能で良いとは思うのですが、個人的にはもう少しシンプルなほうが有り難かった

ただ、そうした中でBluetoothスピーカー機能が便利だったのは、意外な発見でした。スマホ側でラジコアプリを起動さえしておけば、TY-CB100のボタンによるチャンネル切り替えこそできないものの、番組のリアルタイム聴取には何の問題もない。音質も十分。これは楽しいかも! 気付いたら電波としてのAM/FMラジオを聞く機会はメッキリ減り、むしろ聞き逃していたポッドキャストを風呂内で消化するようになっていました。

しかし、ちょっと待てよ。そんなにBluetoothスピーカー機能ばかり使っているなら、単機能のBluetoothスピーカーを買った方がシンプルで使い勝手も良いのでは?

そうした気付きに至り、コストも勘案した結果、Soundcore 3へと辿り着きました。AnkerはAmazonで頻繁にセールをやっているので、ブランドが自然と筆者に刷り込まれていたのかもしれません。いわゆる「第一想起」ってやつですな(笑)。

こんな感じでBluetoothスピーカー機能も搭載。使ってみると、とても便利でした

ラジコ、ポッドキャスト、YouTube、スポーツ動画 全て「風呂で聞く」

Soundcore 3は2020年12月発売。Ankerは多数のBluetoothスピーカーをラインナップしていますが、かなりシンプルな仕様のモデルにあたります。内蔵ドライバー(スピーカー)は8W×2。Bluetooth 5.0をサポートし、肝心の防水仕様はIPX7相当となっています。浴室の片隅に置いて使う程度であれば、故障の心配はほとんどないでしょう。

Soundcore 3のスピーカーは2つ

またバッテリーは内蔵式で、USB Type-C端子を通じて充電します。ICF-S80とTY-CB100は乾電池式だったので、この変化も特に便利に感じている部分です。

Soundcore 3本体には液晶ディスプレイはなく、電源や無線の状態を示す2つのLEDと、電源用を含む5つのボタンがあるのみ。操作感としては、完全ワイヤレスイヤホンを使ったことがある方なら、ほとんど迷うことはないはずです。筆者はAndroidスマホのPixel 8 Proをペアリングして、音楽・音声を流しています。

側面の充電端子はUSB Type-C
ボタンは5つだけ。手探りでもなんとなく操作できます

筆者の使い方としては、そろそろ風呂に入るぞとなったらSoundcore 3の電源をオン。事前のペアリングを済ませておけば、電源を入れるだけでスマホとリンクします。そうしたら、あとは聞きたいコンテンツをスマホ側で指定。再生されているのを耳で確認したら、スマホはそのまま室内に置いておき、Soundcore 3だけを持って浴室へ行くという流れです。

最初のうちは30分~1時間程度のポッドキャストを聞く機会が多かったのですが、今はもうYouTubeの“音声だけ”を聞くケースが激増しました。というのも、有料サブスクのYouTube Premiumを契約しておけば、広告が挿入されないのはもちろん、バックグラウンド再生が解禁されるので、スマホの画面がオフ状態でも再生が継続できます。

1つのプラットフォームに対するコンテンツの集積度と言えば、やはり国内ではYouTubeが圧倒的です。聞きたいコンテンツがある可能性も当然高い。なんなら一部のラジオ番組は、放送時にYouTube配信を並行してやっているくらいですから、筆者のようなスタイルになるのも成り行きでしょう。

この程度の水濡れなら全く問題なし。風呂あがり、バスタオルで身体を拭くついでにちょっとSoundcore 3も撫でておけば、一晩で十分乾きます
YouTube Premiumに加入していれば、バックグラウンド再生機能によって、画面ロック状態でも音声再生が継続します

趣味に振りきった話をすると、海外の自転車ロードレース中継も、この体制で楽しむことが多いです。この分野ではスポーツのライブ配信サービス「J SPORTSオンデマンド」がよく知られていますが、欧州の大会は多くが日本の22~25時にライブ中継されるため、入浴とのタイミングがバッチリ合うんですよね。そして、音声だけを聞いていても、なんとなく展開を追えます。

ただし、「J SPORTSオンデマンド」のAndroidアプリには、YouTube Premiumのようなバックグラウンド再生機能はありません。部屋にスマホを置いておくだけであっても、画面はオンにしたままでなければなりません。

なお、Soundcore 3の5つのボタンのうち、「多機能ボタン」は押す回数によって、一時停止や楽曲スキップができます。また同ボタンを長押しすれば、Google アシスタントが起動するので、あとはSoundcore 3の内蔵マイクに「明日の天気は?」「ニュースが聞きたい」などと話しかければ、対応した反応が返ってきます。

ただし、Google アシスタントは画面ロック時の挙動設定などがかなり複雑なので、手間ゼロであらゆる操作を音声でコントロールできるかと言えば、難しいです。「バナナラマのヴィーナスをかけて」くらいなら問題ありませんが、ちょっと長めのアーティスト名だったり、マイナーな楽曲を指定すると、上手くいかないことが多いようです。2つのコンテンツを跨ぎながら聞くのも事実上ムリ、くらいの想定をしておくのが無難です。

防水スマホを風呂へ持ち込むのが怖い方にオススメ

「防水スマホを風呂に直接持ち込めば、コンテンツ楽しみ放題では?」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。確かにそうなのですが、筆者はやはり浸水による故障が怖い。もう6~7年前の話になりますが、防水スマホが実際に故障した経験があるのです。

加えて、最近のスマホは10万円超が当たり前。これが頻繁に故障していては、目もあてられません。加えて、メインスマホを風呂に持ち込み、それでいて就寝中に充電したいとなると、短時間で水分を拭き取らないといけなかったり、いろいろ煩雑です。

自分の行動をよくよく分析しても、「風呂場で動画を見たい」「風呂場で電子書籍を読みたい」というニーズは今のところない。ならば音声聴取に特化した、安価なBluetoothスピーカーを併用するのがベストだと確信しています。

という訳で、筆者はSoundcore 3と出会って、風呂の過ごし方が変わりました。なんとなく風呂に入るのが手持ち無沙汰だ、だけどあんまりコストもかけたくない方がいらっしゃいましたら、防水Bluetoothスピーカーのある生活を想像してみてはいかがでしょうか?

安価な防水Bluetoothスピーカーがあれば、故障への抵抗感なく、「お風呂で音声コンテンツ」が実現するはず
森田秀一

1976年埼玉県生まれ。学生時代から趣味でパソコンに親しむ。大学卒業後の1999年に文具メーカーへ就職。営業職を経験した後、インプレスのウェブニュースサイトで記者職に従事した。2003年ごろからフリーランスライターとしての活動を本格化。おもな取材分野は携帯電話、動画配信、デジタルマーケティング。「INTERNET Watch」「ケータイ Watch」「AV Watch」「Web担当者Forum」などで取材レポートを執筆する。近著は「動画配信ビジネス調査報告書 2021」(インプレス総合研究所)、「BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引2020」(共著、インプレス総合研究所)。