いつモノコト

はんだ付けの新しい相棒、gootマルチクランプ

goot マルチクランプ ST-85

はんだ付け関連のグッズは息の長い製品が多く、革新的な商品が次々に登場するという市場ではないと思っているのですが、たまにとても便利なグッズに巡り会います。今回紹介するgoot(太洋電機産業)の「マルチクランプ ST-85」はそんなアイテムのひとつで、ちょっと不便だなと思っていた作業が劇的に楽になって、使い始めてすぐに手放せなくなりました。

はんだ付け作業は両手を使うので、小さな部品や基板にはんだ付けをする場合、対象を動かないように固定する必要があります。これまで固定具として使っていた、安価に売られているミニバイス(小型の万力)や小さなアーム付きのクリップは、あまり使い勝手が良くなく、付け外しが面倒だったり固定力に難があったりしました。

gootのミニバイス。良くも悪くも手軽な万力です

しかし新たに入手したこのマルチクランプは、部品・基板をワンタッチで固定でき、角度もかなりの範囲で自由に変えられます。重量も約360gとそこそこあるので安定感も高いです。特に、ワンタッチで固定できるのは想像以上に快適で、はんだ付けの作業をテンポよく行なえます。角度の変更や固定も簡単で、はんだごてを寝かせて使いたい場合も、こてではなく基板に角度を付けて固定できるので、より楽に作業が行なえます。

握って引くだけ、ワンタッチでクランプ部を開閉できます
角度はツマミで固定。ツマミは左右どちらにも取り付けられます
耐熱などの仕様
固定力を変えられませんが、小さな基板ならガッチリと固定できます
固定したまま角度を変えられるのもかなり便利です

マルチクランプの価格はAmazon.co.jpで3,064円でした。同じgoot製のミニバイスはひとつ500円とかなので、比較すると高く感じますが、マルチクランプは固定力や安定感に加えて、厚めのシリコンゴムや耐熱設計、静電対策ができる仕様など、細部までしっかりと作られています。gootのミニバイスと比較してもクオリティは段違いで、筆者的には価格なりの価値があると思えました。何よりワンタッチ操作が快適すぎます。趣味の電子工作程度ならかなり活躍してくれるアイテムだと思います。

太田 亮三