いつモノコト

スーツセレクトの自動採寸アプリを使ってスーツを買った

秋口になり、背抜きのスーツが欲しくなったのでスーツを購入しました。筆者は、スーツ専門店の中でも、いち早くトレンドを取り入れている「スーツセレクト」を普段から愛用していますが、今回はスマホで採寸できる「AI自動画像採寸アプリを試したい」というのも動機の一つでした。

最近は、ユニクロの「MySize CAMERA」、三越伊勢丹の「Hi TALOR」など、アパレル業界でも自動採寸系アプリの活用が増えています。「そんな機能を使って洋服を買う時期が来るのかな? 」などと筆者も思っていましたが、案外すぐにその時がやってきました。

スーツセレクトAI画像採寸アプリ

AI画像採寸を試す。簡単な入力と撮影だけ

「AI画像採寸アプリ」自体は無料で、AndroidとiPhone用が用意されています。ユーザー情報と画像を入力することで、スーツセレクトの販売するスーツの型紙(SKYNNY2、BLACK LINE、CLASSICO TAPEREDの3種)、スタッフのお勧めのサイズ感をAIが学習し適切なサイズを提案してくれます。オーダースーツにも対応しています。

まずはアプリを起動後、「採寸する」を選択し、「身長」「体重」「性別」「生年」を入力します。撮影は、シャッターを押してくれる協力者を準備してから行ないます。

筆者はいつも担当してくれるスタッフさんにお願いをしました。店長やバイヤー経験のある方で、最もスーツに熟知している、いわばプロフェッショナルの撮影なら心配いりません。

筆者をスマートフォンにて撮影している様子

筆者は早速シャツとスラックス姿になり、前、後、右横、左横、合計4枚の写真をアプリの枠内に収めるように撮影をしました。撮影のポイントとしてシャツとスラックス姿になるのがミソ、この姿にならないと体の綺麗なラインが取れない恐れがあります。自宅でするのが一般的だと思いますが、筆者のように店員に手伝ってもらうのもいいです。

シャツやスラックスを持っていない方でも、スーツセレクトの店舗に行くとシャツとスラックスあるので測定ができます。若い方なら中高生の頃に使っていた制服を代用してもいいと思います。

予想外の採寸結果に。本当の狙いは?

撮影後、数十秒待つとデーターが表示されました。筆者のサイズ結果は下記の画像通りになりました。

採寸完了後の結果

筆者は、普段はA5、AB5サイズを、タイト目にする時はAB4サイズを選んでいます。しかし、AI採寸結果では、スーツとパンツの幅はY5サイズ(型紙:BLACK LINE、CLASSICO TAPERED)と普段よりかなり小さめに判定されて驚きました(型紙:SKINNY2のみA5サイズ判定)。

出典:SUIT SELECT

この状態でスーツを着てみると、案の定ジャケットとスラックスのウエストまわりにかけて小さくキツさを感じました。筆者は「AIで採寸すればスポッと着れる」と思い描いていたので少し予想外の展開になりました。

筆者測定後、試着時の様子

筆者が思い描いていたAI画像採寸の結果とは、ちょっと違いましたが、測定後に担当スタッフさんに尋ねてみると、「AI画像採寸してもらい、そのデータを元に着てもらう。そこから微調整をすることでお客様に合ったスーツを提供できる」というメリットがあるそうです。

また、通常はスタッフさんがメジャーを持って測定を行ないます。上から下まで測定を行ないますが、その手間の一部が省けるので、スタッフさんの時間短縮にもなるそうです。筆者はいつも購入する時、ベテランのスタッフさんが目視でサイズを持ってくるので気にしていないポイントでした。

その意見に納得しながら、筆者も微調整をお願いしました。結果としてAB5のサイズが適切と分かり、いつも通りのサイズになりました。今回、筆者はスリムに着たいので一つ小さいAB4のサイズを選びました。スーツとしてはややシワがよってしまいますが既製品としては許容範囲です。

筆者が選んだAB4のスーツ

また、スーツは、期待とは少し違う結果になりましたが、実は便利なのがワイシャツの採寸です。

このアプリはジャケットやスラックスだけではなくベストやワイシャツも測定ができます。筆者は通常M80を選んでいますが、アプリでもピッタリのサイズ結果になりました。シャツに関しては、ジャケットやスラックスよりもラインがしっかりととれる為、ジャストフィットなサイズを選べるのだと思います。

ワイシャツの測定結果

店頭で時短購入の安心感

AI採寸測定は微調整が必要のため、家で採寸してネットで買うのは難しそうです。しかし、採寸をアプリで行なうことで、店頭での採寸を時間を短縮するできるだけでなく、店員さんが近距離に接近する時間が少なくなるので、一定の距離を保てます。

そのため、新型コロナの対策としても一定の効果がありそうですし、アプリを使うことで、安心感や買いに行きやすさにつながるかもしれません。特にオーダースーツを買う場合などは良いのではないでしょうか。

オーダースーツの生地28,000円~

実際にスーツを買ってきました(28,000円)が、AI採寸は店頭でする最初の採寸を簡略化したようなモノという印象です。まだ発展段階で、スーツの購入に慣れている人はあえて使わなくても良いかもしれません。ただ、これから初めてスーツを購入する方などは、採寸を簡略化できるだけでなく、自分のサイズも簡単に把握できるのでオススメです。

西園寺正太郎

趣味はオーディオとモノづくり、湯豆腐と鯵が好きなちょっと渋い20代