ニュース

東京駅「YNKエリア(八重洲・日本橋・京橋)」を「粋」で世界につなぐ新ビジョン

昭和28年当時の八重洲周辺。赤丸部分が東京建物

東京建物は4日、東京駅前の八重洲・日本橋・京橋エリア「YNK エリア(インクエリア)」において、今後のまちづくりの方向性と実現に向けたアクションプランを示した「YNK エリア まちづくりビジョン」を策定し、発表した。

東京建物は1896年(明治29年)の創業以来、約130年にわたりYNKエリアに本社を構え、まちづくりに取り組んでおり、2026年7月には本社が入る「TOFROM YAESU(トフロム八重洲)」をはじめとする大規模再開発が竣工した。さらに、八重洲通りの再編、日本橋川の再生、旧東京高速道路(KK線)の遊歩道化といった都市基盤の整備が続いている。

また、同社だけでなく三菱地所の「TORCH Tower」、三井不動産による「東京ミッドタウン日本橋」、「YAESU CORE」の開発や、豊田通商や本田技研工業、全日本空輸などの本社移転が控えている。

エリア全体がかつてない規模の変化を迎え、働く人の人口拡大が見込まれている。

街の大きな転換期を迎えるなか、これからのまちづくりにおいて、「まちの歴史を改めて振り返り、長く受け継がれてきた精神性や考え方」をまとめて、まちづくりに反映するのが「YNK エリア まちづくりビジョン」で、「世界に届くまちづくりのロールモデルを目指す」(東京建物 小澤克人社長)とした。

東京建物 小澤克人社長

そのため将来像として「潤環都市YNK」を策定。都市が文化を育て、文化で都市を潤すまちを目指し、「世界から人と投資を引き寄せる」など、4つの「意志」を定義した。

  • 世界から人と投資を引き寄せる
  • 自分の居場所と感じられる都市をつくる
  • 粋なつながりを継ぐ
  • 日本らしい目利きで世界に提示する

「世界から人と投資を引き寄せる」では、大規模再開発の推進やそれらに伴う地下の歩行者ネットワーク整備など、多方面にわたる都市機能の充実や隣接するエリアとの連携によって利便性を高めるもの。

「TOFROM YAESU」や「ぴあシアター&カンファレンス」「バスターミナル東京八重洲」などとともに、「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」(呉服橋プロジェクト)や35階ビルの「京橋三丁目東地区第一種市街地再開発事業」などを推進する。

八重洲では地下通路を整備し、大手町駅を介して、東京駅・日本橋駅を接続。東京駅を中心とした広域地下歩行者ネットワークを構築する。またサービスレジデンスなども整備する。京橋のプロジェクトは駅に直結した35階の大型再開発となり、旧東京高速道路(KK線)の再生方針と連動。銀座とともに中央通りの賑わい創出を目指す。

「自分の居場所と感じられる都市をつくる」では、車中心から人中心の都市構造へ転換。八重洲通りの道路空間再編や日本橋川の水辺空間整備などを、地元関係者や行政とともに推進する。また、江戸城の城下町の歴史や古き良き風景を残しながら、街区を整備する。

「粋なつながりを継ぐ」では、今後の再開発でワーカーが増えることを見込み、YNKエリアのまちならではの文化を未来につなぐための取り組みを強化。20の町会や地域の祭礼・行事、清掃活動などに東京建物が「地域の一員」として積極的に参加する。具体的には「山王祭」にグループ9社から800名以上の役職員が参加。7つの町会の神輿を担いだという。

「日本らしい目利きで世界に提示する」は、江戸時代、全国から職人や商人が集い、清潔で文化的かつ豊かな暮らしが営まれたYNKエリアとして、社会課題の解決に取り組む。人口が集中する都市から、課題を解決するためのロールモデルを目指すもの。持続可能な生活文化や飲食文化などの発信にも取り組み、抹茶カフェや「角打ち」の発信店舗、アートギャラリーなどを展開。また、スタートアップ支援や食・金融・アートなどが交わるイノベーションエコシステムの形成を目指す。