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アンソロピック、7~9月の売上は170億ドル(2.7兆円) 「劇的な加速」がリスクに
2026年11月4日 07:00
Anthropic(アンソロピック)は2日(米国時間)、新規株式公開(IPO)に向けて、米国証券取引委員会(SEC)に提出した、登録届出書(日本における目論見書)を更新した。新たに2026年第3四半期(7~9月期)の業績や、将来のモデルが、「AIによるAI研究の加速」のしきい値にまもなく到達する可能性があるなどと記載している。
直近の7~9月の第3四半期業績は、売上高が169.56億ドル(約2.7兆円)で、前年同期の13.82億ドルから約1,127%増。前期(115.55億ドル)比でも約47%増となっている。営業損益では5.67億ドルの赤字だが、割高な短期契約の計算資源などの影響としている。
また、1~9月の売上高は332.42億ドルで前年同期の約13倍となり、25年通期(45.85億ドル)も大きく上回っている。営業損失は12.60億ドルで、前年同期の52.24億ドルから縮小した。
売上の中心となるのは法人顧客で、売上10万ドル以上の顧客は1.19万社超、100万ドル以上は1,900社超、1,000万ドル以上は約250社としている。
第3四半期は、売上が1,127%増だったのに対し、計算資源コストは382%増。従業員1人あたり売上は660万ドル超(前年は140万ドル)で、より効率化が進んでいる。
社内でのClaude利用による価値(定価ベース)は、26年1月から26年9月にかけて250倍以上に増加し、26年4月には、この月間価値が、株式報酬を除いた月間人件費を上回るなど、AIにより小規模なチームで業務を担えるようになっており、Claude自身が、実験の実行、トレーニングデータの生成と処理、評価や安全性監査の自動化、コードの記述とレビューなどを担うことで、次世代モデルの開発が加速する「closing the loop」が事業上の強みになるとする。
AIインフラを中心とした契約済みの支出総額は約8,954億ドルで、ほとんどが計算資源とインフラとなる。約4,475億ドルは2030年末までに、残りは2031~45年に発生し、今後12カ月の支払い予定は約698億ドル。
今回追加されたのが、「AI自己加速のリスク」の開示。将来のモデルが、同社が定める「責任あるスケーリング方針(Responsible Scaling Policy)」の「AI起因の劇的に加速した進歩(dramatically accelerated progress attributable to AI)」の基準にまもなく達する可能性があると、リスク要因に追記された。
モデルの能力が、安全性、アラインメント、セキュリティ対策の進展を上回った場合や、そのペースを予測できなかった場合、結果的に生じるリスクを適切に評価または軽減できなくなる可能性があると説明。安全上のインシデントや、規制当局による介入などの可能性が高まるとしている。
同社では、「再帰的自己改善(RSI/recursive self-improvement)」と呼ばれる状態に近づくにつれ、リスクを監視・軽減するための計画を定めており、安全技術へ投資。また、技術的に可能になったとしても、人間による実質的な監督や理解なしに、Claudeを用いて次世代の最先端モデルを完全に自律的に設計・構築することは、安全に行なえるとは想定していないとする。
Anthropicは、NASDAQに「ANT」のティッカーシンボル(銘柄コード)で上場する予定。募集株式数、価格レンジ、上場日などは未定。


