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MetaのパーソナルAI「Muse」を使ってみた 先回りして気遣えるAI
2026年10月27日 08:20
MetaのパーソナルAIエージェント「Muse」が、10月23日から日本でも利用できるようになりました。Museは、ユーザーの指示に従って情報を検索するだけでなく、Webサイトを操作し、予約や買い物などのタスクを自律的に進められるAIエージェントです。
もっとも、AIがWebサイトを操作して予約すること自体は、それほど新しい技術ではありません。ChatGPTにもエージェント機能があり、飲食店の予約や旅行の手配などに対応しています。
実際に使って感じたのは、“AIエージェント”を利用するまでのハードルの低さでした。特別な操作や難しい指示を意識することなく、メッセージを送るように依頼するだけで、AIが仕事を進めてくれます。今回は、Museに映画のチケットと、その後の飲食店の予約を依頼してみました。
映画と飲食店の予約を丸投げ 予定の重複もAIがチェック
今回は、Museの実用性のテストとし、実際の決済までは行なわず、予約確定前の操作までに留めています。
以下のように指示をしました。
明日、「バイオハザード」の映画を予約してくれませんか。場所はTOHOシネマズ新宿で、2名。19時迄には終わっていたい。席は中央付近で、可能であればIMAXレーザーがいいです。IMAXが上映していないようでしたら、字幕でもOK。また、映画が終わった後はくら寿司の席を押さえておいて。映画もくら寿司も、一応私がチェックするので、個人情報の入力や決済がある場合は以降の作業は私が引き継ぎます。
Museに依頼すると、AIがブラウザを操作し、条件に合った上映回を探し始めました。当初は翌日の予定として依頼しましたが、Museはその日に別の飲食店の予約が入っていることを指摘しました。映画の終了時刻と予約の時間が重なる可能性があるため、映画を優先するか、既存の予約を優先するか確認してきたのです。これはGmailに届いていた予約情報を参照したものとみられます。
そこで映画を翌々日に変更するよう指示すると、Museは条件を変更して上映回を探し直しました。
既存の予定を考慮して調整を提案するのは、AIエージェントらしい動きだと感じました。一方、予約が重なっているからといって、AIが勝手に既存の予定を変更することはありませんでした。
日程変更後、Museは条件に合う上映回を見つけ、座席の選択まで進めました。選ばれたのは16時台に始まり、19時前に終了する上映回。希望していたIMAXの字幕版で、中央付近に並んで座れる2席を選択していました。
券種の選択も済んでおり、あとはログインや購入者情報の入力、決済などを行なう段階まで進んでいました。今回はこの段階で操作を止めましたが、Museには認証情報を保存し、ログインなどの操作を代行する仕組みがあります。
Metaによると、Museは利用者ごとに用意されたクラウド上の専用環境「Muse Secure VM」で動作します。接続したサービスの認証情報は安全なストレージに保管され、Muse自身がパスワードの内容を確認することなくログインに利用できます。
決済についても、Stripeのデジタルウォレット「Link」との連携に対応しています。米国では、Linkに登録した決済手段を使い、Museを通じて商品の購入手続きを進められます。実際のカード情報はAIに公開されず、購入時にはユーザー自身が最終承認する仕組みです。
こうした機能を利用すれば、対応するサービスではログインから決済まで、より多くの作業をMuseに任せられそうです。ただし、誤操作などのリスクもあるため、決済や個人情報の入力など、重要な操作については人間が最終確認することが大切だと感じています。
映画に続いて、飲食店の予約も進めてもらいました。Museは上映終了後の移動時間を考慮し、19時30分の予約を提案。複数の候補から店舗を選び、予約サイトにアクセスして手続きを進めました。
予約サイトではメールアドレスの確認が必要でしたが、MuseはGmailに届いた確認メールも把握していました。メールに記載されたURLを開くと予約画面に進む仕組みで、途中から筆者が操作を引き継ぎました。今回は、最終的な予約確定まではしていませんが、飲食店の候補探しから予約サイトでの操作まで、一連の作業をMuseに任せることができました。
AIが先回りして教えてくれる体験も
Museの使いどころは、複数のサービスをまたぐ作業を、自然な言葉でまとめて依頼できることにあります。映画を探して座席を選び、終了時刻をもとに飲食店を探す。さらに、既存の予定と重なっていないか確認する。こうした一連の作業を、ひとつの会話の中で進められるのは便利です。
他に印象に残ったのは、こちらから指示していないことまで、Museが先回りして教えてくれることでした。
Museにはスマートフォンアプリも用意されており、PCとスマートフォンで会話や情報を共有できます。GmailやGoogleカレンダーなどの外部サービスに加え、スマートフォンの現在地やバッテリー残量、通知内容といった情報も活用し、状況に応じた提案をしてくれます。
例えば、夜中に突然腹痛に襲われ、トイレに駆け込んだところ、トイレットペーパーが残りわずかなことに気づきました。近くで購入できる店舗をMuseに探してもらうと、店舗の案内に加えて「バッテリーが16%まで落ちているから、モバイルバッテリーを持っていってね」と教えてくれました。
こうした気遣いは、バッテリーに関するものだけではありません。Gmailに届いたクレジットカードの引き落とし情報をもとに、引き落とし日や金額を知らせ、口座残高が足りているか確認するよう促されたこともありました。
さらに、好きなアーティストのライブツアー情報も、こちらから聞いていないのに、チケットの受付状況や発売予定日を教えてくれました。
驚いたのは、こうした情報を受け取るために、特別なリマインダーやルーチンを設定していなかったことです。Museが利用者の情報や会話の流れを踏まえ、自発的に提案してくれているのだと思います。
もちろん、情報の正確性には注意が必要ですが、利用者の状況を把握し、先回りしてサポートしてくれる体験は新鮮でした。
Webサイトの操作や予約自体はChatGPTなどでも実現していますが、Museの魅力は、それらを日常の会話の延長で利用できるUXにあると感じています。単に質問に答えるチャットツールではなく、自分の生活や予定を把握し、必要なときに気を利かせてくれる秘書のような存在で、「パーソナルAI」という言葉を実感できる体験でした。








