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要介助者の「一括サポート手配」拡大 ANAなど航空3社、鉄道10社、全国宿泊施設

介助やサポートを必要とする人の移動をスムーズにする「Universal MaaS」の取り組みにおいて、「一括サポート手配」の連携事業者が大幅に拡大した。対象エリアのほか、宿泊施設などにもサービスを拡大し、1月より順次、実証実験が行なわれる。

Universal MaaSは、18年に発表された、ANAグループ内における「『移動』の概念を変えて、誰もが自由に移動できる社会を創る!」をコンセプトとしたプロジェクトが起源。障がいや高齢など何らかの理由により、移動にためらいのある人(移動躊躇層)が快適にストレスなく移動を楽しめるサービスの実現を目指している。

産官学が連携して仮説・実験・検証を繰り返し、19年6月にUniversal MaaSプロジェクトが発足。取り組みの1つとして22年2月に、ANA、JR東日本、東京モノレール、MKタクシーが共同で「一括サポート手配」の実証実験を実施した。

その際の実証実験では事前に選定したモニターが、航空券予約時に「一括サポート手配」サービスを利用し、旅行当日はその経路に沿って交通機関に搭乗・乗車した。事業者はモニターが乗車する経路や時間を事前に把握した上で、介助の案内を行なった。

23年6月にはMKタクシーとの連携により初めて社会実装。航空券予約時に登録した介助に必要な情報を、MKタクシー予約システムに連携し、これまで利用者が交通事業者ごとに行なっていた介助サポートを一括で手配可能とした。

これら以外でも連携する事業者や自治体の拡大を通じて、対象者や対象路線・目的地を拡大しながら実証実験を重ねている。24年2月には旭川市および旭川エリアの事業者と連携した実証実験、25年2月にはANA、日立製作所、京成電鉄、京急電鉄の4社が連携し、羽田空港・成田空港から先の移動をスムーズにすることを目的とした実証実験を実施した。日立は鉄道事業者へ提供する「移動制約者ご案内業務支援サービス(事前受付オプション)」と「一括サポート手配」のデータ連携機能の実装等を担った。

旭川市の実証実験の様子

1月から実施する実証実験では、ANA、旭川エリアの各事業者、京成電鉄、京急電鉄との連携に加え、航空のAIRDO、ソラシドエア、鉄道のJR北海道、JR東日本、JR東海、JR九州など、北海道・東海・九州エリアへとネットワークを拡大し、さらに全国の宿泊施設との連携を実現する。交通事業者はほかにも、伊豆急行、伊豆箱根鉄道、札幌市営地下鉄、札幌市電や、各地のバス・タクシー事業者が連携する。宿泊施設は1月時点で全国157施設。

これらの連携により、航空、鉄道、バス、タクシー、宿泊施設など、複数の事業者への介助依頼窓口を一元化。介助やサポートを必要とする人が、スムーズにサポート手配依頼を行なえる。事業者にとっては、利用者の特性や介助依頼内容を事前に共有することで、効率的な情報収集が可能となる。

画面遷移図

開始日は、航空が1月19日、鉄道・バスが1月27日、タクシーが2月2日。宿泊施設および一部交通事業者は継続して実施している。