ニュース

トヨタの新しい街「Woven City」オープン 「人が生活するテストコース」

トヨタによる新しい街「Toyota Woven City(Woven City)」が、9月25日に“オフィシャルローンチ”され、まちびらきを迎えた。Woven Cityでは、企業・個人が様々なプロダクトやサービスの実証を行なうとともに、住民が居住開始し、モビリティカンパニーへの変革に向けた「人が生活するテストコース」となる。

Woven Cityは、2020年の1月の「CES」で構想を発表し、ウーブン・バイ・トヨタ(WbyT)とトヨタ自動車が開発を進めてきた。パートナーと連携して、様々なモビリティやプロダクトやサービスに関する開発・実証を進め、その参加者は企業・個人を問わず「Inventors(インベンター/発明家)」と呼ばれる。トヨタのものづくりの知見や、WbyTのソフトウェア技術、各Inventorが持つ様々な強みや専門性を掛け合わせることで、新たな価値を作り出す「カケザン」による発明を目指している。

25日には、シンガーソングライターのナオト・インティライミ氏がInventorsとして加入。Woven Cityにて音に関する実証を行なう予定で、Woven City Anthemとサウンドシンボルをプロデュースする。

25日時点で計20のInventorsの参画が決まっており、ダイキン工業は、「花粉レス空間」や「パーソナライズされた機能的空間」などについて実証する。

花粉レス空間では、住戸の内外に、温度や湿度、花粉や粉塵、人の動きや窓の開閉などを検知するセンサーを設置し、花粉の侵入経路に加え、室内外の花粉量や温湿度、住民の行動の違いによる花粉の侵入量の変化を把握。各種センサーと連動するエアコンや換気機器、空気清浄機で構成した空調・換気システムを構築し、住民からのフィードバックも活用しながら、花粉の侵入を抑え、室内の花粉をより除去できる空調・換気システム運用方法を探る。

パーソナライズされた機能的空間では、温度や湿度、映像や音、香りなどの多感覚要素を連動させてコントロールすることで、世界各地の空気が再現された空間や、リラックス効果や創造性の向上を促す空間などを検証する。

ダイドードリンコは「自動販売機を通じた新たな価値創造」として、商品サンプルやボタン、コインの投入口が無い自動販売機「HAKU(ハク)」を設置。真っ白な見た目の箱状の自動販売機で、空間や場所に溶け込むことを目指したもの。商品の購入時はQRコードを読み取り、端末上で商品を選択し、キャッシュレス決済を行なう。

例えばホテルフロントや企業の受付など極力自販機を目立たせたくないユースケースや、ショールームなどのプロモーションなどでの利用を想定している。

ダイドードリンコのHAKU

日清食品は「新たな食文化創造に向けた食環境の構築」などを行なう。UCCジャパンは「コーヒーが人々の創造性や生産性に与える影響」を実証する。

日清食品。e-Paletteを利用したToyota Woven Cityでの食事提供イメージ
UCC

そのほか、増進会ホールディングスは「データ活用による先進的な教育スタイル」など、インターステラテクノロジズは「ロケットの製造体制強化」、共立製薬は「ペットと人のより良い共生社会のあり方」などを探る。

「Z会インベンティブスクール」ナーサリースクール プライマリーコミュニティ(3歳頃~6歳)

Woven Cityの三本の道は、地上の道は「歩行者専用の道」、「歩行者とパーソナルモビリティが共存する道」、「モビリティ専用の道」の3種類に分類。また、地下の道は気候や気温等に左右されず実証がしやすい環境として活用する。信号もモビリティと連動して、信号の切り替えタイミングを制御するシステムを導入するなど、街全体がモビリティのテストのために作られている。豊田自動織機など、トヨタグループ各社もInventorsとして参画予定。