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パナソニック、"苦い"コイン形リチウム電池 誤飲を防止

パナソニック エナジーは、乳幼児がコイン形リチウム電池を誤飲する事故を低減するため、電池本体の負極面に苦み成分である安息香酸デナトニウムを塗布したコイン型リチウム電池を開発した。使用期間推奨期限も従来の5年から10年に延長されている。10月10日発売で、価格は363円から。

スマートデバイスの需要拡大や機器の小型化により、家庭内でコイン形リチウム電池の使用頻度が増加している反面、家庭内での誤飲事故リスクも高まっている。

東京消防庁によると、同庁管内で2020年から2024年までの5年間に、5歳以下の子ども5,285人が窒息や誤飲などで救急搬送されたが、そのうち約200件は電池が関連しているという。また、国民生活センターによると、電池の誤飲事故は玩具などの使用中や、未装着状態(電池単体、パッケージに入った状態など)でも発生していることが判明している。

コイン形リチウム電池やボタン電池の誤飲は、体内で化学反応を起こし、食道などの内臓に深刻な損傷を与える可能性があるなど、命に関わる重大な事故につながるおそれがある。

同社では、これまでも乳幼児が簡単に開封できない誤飲対策パッケージの採用や、注意喚起のピクトグラムを刻印するなど、安全性の向上に取り組んできた。

今回の製品では、誤飲を防ぐために苦み成分を塗布。開発に当たっては、乳幼児を対象とした検証を行ない、誤飲を抑制するために効果的とされる苦み成分の適切な塗布量を確認して製品設計を行なっている。

型番はCR2032E、CR2025E、CR2016Eの3種。CR2032Eのみ2個入りパッケージも用意される。