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築地再開発、「扇」デザインでスタジアム・オフィス整備 基本計画策定

築地市場跡地の大規模開発の推進に向け、基本的な考え方や施設の整備方針などを示した基本計画を策定がされた。築地の歴史や文化を継承し、調和や発展への願いを込め、「扇」をデザインモチーフに定めた。

三井不動産を代表企業とし、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社を中心に2024年12月に設立した築地まちづくり株式会社が「築地地区まちづくり事業」を推進するため基本計画を策定。22日に発表した。

デザインモチーフである「扇」を用い、東京の新たな玄関口となる象徴的な景観を創出。かつての築地市場は貨物列車を引き込むために扇形状の建物だったことから、その歴史を踏まえ、調和や末広がり、繁栄の願いを込めた「扇」をエリアのデザインに活用。「陸・海・空」の視点から象徴的な景観を創出する。

シンボリックな景観デザイン

スタジアム・店舗やライフサイエンス・商業複合棟、MICE・ホテル・レジデンス棟、ホテル、レジデンス棟、オフィス・レジデンス、舟運・シアターホール複合棟など多くの施設が集約した大規模開発となり、活用都有地面積は約19万m2、総延床面積は約126万m2

基本計画では、「ONE PARK×ONE TOWN(ワンパーク ワンタウン)」をテーマに、自然と都市の活動の2つが共生・調和・発展し、社会的価値を創出するまちづくりを目指す。

ONE PARKについては、隅田川や浜離宮恩賜庭園と一体的に緑地・広場を整備。水と緑豊かな空間を創造する。築地は江戸期から、交易・交流の拠点として発展し、隅田川は豊かな水辺を生かしたにぎわい・交流の舞台として江戸の風景を形成してきた。その歴史を踏まえながら、東京の新たな顔となるシンボリックな景観デザイン、多様な活動・にぎわいを創出する水辺のオープンスペース、周辺資源と調和するプロムナード・緑化、舟運の活用により、「水都東京の再生」を推進する。

水辺のオープンスペース
周辺資源と調和するプロムナード
舟運ネットワーク

ONE TOWNでは、銀座から続く文化・芸術の流れや、築地場外市場の食文化、新橋・汐留のビジネス拠点、計画地に隣接する医療施設等との連携により、交流と感動、イノベーションを起こす都市の活動を表現。大規模集客・交流機能、迎賓・ホスピタリティ機能、築地場外市場と連携した日本の食文化を継承・発展させる機能を整備する。

大規模集客・交流機能
食文化の発展・にぎわいの形成

また、周辺医療施設と連携し、イノベーションを創出する機能など、「国際競争力の強化」もまちづくりに盛り込んでいく。

エリアの中央にはスタジアムを整備。延床面積は約17.9万m2で、高さは約40~110m。内陸側の新大橋通り側には、ライフサイエンス・商業複合棟を整備し、延床面積は約40万m2、高さは約190m。隅田川側には、高さ約210mのMICE・ホテル・レジデンス棟やホールや店舗などからなる舟運・シアターホール複合棟などを整備する。

交通アクセスも整備。地下鉄新駅、バス・タクシーに加え、次世代モビリティ、舟運、空飛ぶクルマやヘリポートなど陸・海・空の多様なモビリティをつなぐ広域交通結節点を形成する。さらに、にぎわい機能や情報発信などの機能を導入し、モビリティハブの形成を目指す。

所在地は、東京都中央区築地五丁目および築地六丁目各地内。総事業費は約9,000億円、開業時期は2030年代前半以降。