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GPT-4o即停止は「間違いだった」 GPT-5は「温かみ」ある性格に

OpenAIのサム・アルトマンCEOは11日(米国時間)、最新AIモデル「GPT-5」の公開と、それに伴う従来の「GPT-4o」の公開を止めた件について説明した。GPT-4oなどに従来モデルを即座に止めたことについては「間違いだった」とするとともに、過度に人を依存させるモデルについては問題があるとしている。

8日に発表した「GPT-5」は、能力や速度の向上とコストの削減を図りながら、GPT系「GPT-4oなど」と「o系統(o1、o3、o4-miniなど)のAIモデルを「1つのモデル」に集約し、全ての役割をGPT-5で担うこととしていた。

しかし、GPT-4oを即座に停止したところ、GPT-4oに馴染んでいた人、愛着を持って使っていた人からの大きな反応があり、Xでは #keep4o というハッシュタグで4oの継続提供を求める声があがった。親しみやすく、相談相手になってくれる4oに対し、GPT-5の返答は論理的でドライすぎるといった意見で、友人やパートナーのようにChatGPTを使っていた人にとっては、友人が奪われたような声もあがっていた。

4oでは4月末にも「お世辞を言い過ぎ」「(ユーザーに)同調しすぎ」という問題が指摘され、ロールバックされる問題があった。正直と透明性の原則により、その問題は修正されたが、今回GPT-5の公開にあわせて4oが停止されたため、長く4oを使ってきた人の“愛着”などが問題となった形だ。なお、OpenAIでは、GPT-5公開から数日後に、有料ユーザー向けにChatGPT上でGPT-4oも選択可能とした。

サム・アルトマン氏は、「多くの人がChatGPTをセラピストやライフコーチのような役割で利用しています。これは本当に良いことで多くの人が価値を得ている」と言及。一方で、「私の現在の考えで、OpenAIの公式見解ではない」としながら、「ユーザーがChatGPTとの関係において、話した後で気分が良くなっても、長期的な幸福から無意識に遠ざけられている場合は問題だ。例えば、ユーザーがChatGPTの使用を減らしたいのに、それができないと感じる場合も問題だ」と説明。「多くの人が重要な決断においてChatGPTのアドバイスを本当に信頼する未来を想像できる。それは素晴らしいことだが、不安も感じさせる。しかし、それは実現するだろうと予想され、やがて数十億人がこのような形でAIと会話する時代が来るかもしれない。そのため、私たちは、これを大きなネットポジティブにする方法を考えなければならない」としている。

なお、GPT-5には「自動」「Fast」「考えています」の3つの選択肢が追加されている。4oは全ユーザー向けにモデル選択画面でデフォルトで再び利用可能となっており、4oを廃止する場合、「十分な事前通知を行なう」とアルトマンの12日のX投稿で説明している。ChatGPTのウェブ設定に「追加モデルを表示」が追加され、o3、4.1などのモデルが表示される。なお、GPT-4.5はプロユーザーのみ利用可能。

GPT-5の性格(personality)については、「現在の性格よりも温かみを感じさせ、GPT-4oほど(ほとんどのユーザーにとって)煩わしくないものになる予定」。アルトマン氏は「ここ数日で学んだことは、ユーザーごとのモデル性格のカスタマイズをさらに進める必要があるということ」と述べている。