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NTT、Q1は増収減益 国産LLMを強化「tsuzumi2」
2025年8月6日 16:46
NTTは2025年度第1四半期決算を発表した。連結決算は、営業収益が前年同期比0.7%(220億円)増の3兆2,620億円、営業利益が7%減(306億円)の4,052億円、利益は5.3%減(144億円)の2,597億円で、増収減益となった。収益は過去最高を記録、「為替は少し悪い方向だが、想定通りの進捗」(島田社長)としている。
セグメント別では、総合ICT事業においてNTTドコモの「顧客基盤強化のためのマーケティングコスト」の増加が影響。またグローバル・ソリューション事業では為替の減収影響が500億円に上ったとしている。
決算では今後のトピックスとして、NTTが開発する純国産LLM「tsuzumi」をアップグレードした「tsuzumi 2」を10月にリリース予定であることが明らかにされている。パラメータ数は7Bから30Bに拡大され、日本語性能は同サイズのLLMで世界トップクラスとし、RAGを用いた業務処理の実例では前モデルから約4倍の回答精度になるという。1GPUで動作する特徴を継承しており、コスト効率に優れ、機密性の高い情報を扱う際にも導入しやすい形をとれるとしている。
このほか、光の配線でコンピューターの低消費電力化やパフォーマンス向上を狙うIOWN光コンピューティングについては、2026年度には万博で披露しているバージョンからパフォーマンスを倍に向上させた最新版が登場する予定であるとした。
初期に出資したラピダスが最先端の半導体製造拠点「IIM」を北海道に完成させたことを受け、IOWN光コンピューティングなどの光電融合デバイスに対応する半導体の製造にも期待を寄せている。現在データセンターでは発熱が大きな問題で、大規模な水冷や液浸など、さまざまな方法が試みられているが、冷却のための消費電力の増加も課題になっており、抜本的な解決策として光を使う低発熱のIOWN光コンピューティングを推進していく。
メタル回線の固定電話は10年をかけ代替サービスへ移行
メタル回線の固定電話サービスは、2035年までをめどに、代替サービスに段階的に移行する方針。その内容や方針について9月下旬に公表する予定とした。
このタイミングでは、メタル回線から(他社を含めた)光やモバイル回線を活用する固定電話への移行の「考え方」「スケジュール」が明らかにされるほか、ユーザーの円滑な移行に向けた取り組みなどが案内される。
固定電話に使っているメタル回線の設備限界は2035年としており、今後10年をかけて計画的に代替サービスへの移行を進める。まずは都心部など、光回線などが普及しているエリアで代替サービスへの移行を呼びかけていく方針。





