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教育向け「Gemini」年齢制限を撤廃 18歳未満も利用可能に

Googleは15日、大学生向けのイベント「Gemini Day for Education」を開催した。同日には、Google Workspace for Educationの新機能に関するメディア向け説明会もあわせて行なわれた。説明会では、教育機関向けに提供する生成AI「Gemini」がGoogle Workspaceのコアアプリに追加したことや新機能を発表した。

コアアプリに追加されたことで、組織の管理コンソール上ではデフォルトでGeminiの利用が有効化され、児童・生徒を含むすべてのユーザーがGeminiを利用できるようになった。なお、管理者は組織単位やユーザー属性に応じてGeminiの利用可否を個別に設定できる。これまで18歳以上に限定されていたGeminiの利用が、全年齢の小・中学生に開放される。

Education向けのGeminiには、対話型「Geminiアプリ」と、アップロードした資料を基に整理・分析を行なう「NotebookLM」の2種類を提供する。Geminiアプリは教育機関向けに構築され、企業レベルのデータ保護を実装。また、通常のGeminiとは異なり「LearnLM」と呼ばれる教育に特化したLLMを採用している。

単に問題の解答を提示するのではなく、主体的な学習を行なうためのヒントやアドバイス、メタ認知などを支援する設計となっている。これまで「Gemini 2.5 Flash」のみだったモデルも、より高性能な「Gemini 2.5 Pro」も選択可能となり、Canvasによるプログラミング支援や、Deep Research、画像生成(Image4)、動画生成(Veo3)にも対応する。

NotebookLMでは、アップロードした資料をもとに要約やマインドマップを作成可能。50以上の言語に対応したポッドキャスト(音声概要)を提供しているが、今後、動画概要機能も展開する予定。4月からはコンテキストアウェア・アクセス(CAA)による高度なアクセス制御も導入されている。

ほかにも学習向けの視覚素材の生成やカスタムプロンプト「Gem」のドメイン内の共有機能(いずれも18歳以上が対象)、Gemini Canvasによる視覚的学習支援も数カ月以内に提供予定。

Google Classroomとも連携が進んでおり、新たに登場したGemini in Classroomでは、あらかじめ用意された(現在は英語のみ)30以上のタスクをワンクリックで実行できる。

そして、Google Workspaceの管理下にあるアカウントであれば、年齢制限なく、すべての児童・生徒が利用できるようになった。リテラシートレーニングのコンテンツも提供し、安全な利用を支援する。

教育機関向け支援として、これまで教員向けに提供されていたプロンプトライブラリを児童・生徒にも展開(7月31日公開予定)するほか、動画でAIの利活用について学習できる特設サイトもリニューアルする。さらには、GIGAスクールパッケージ導入自治体向けの研修に「生成AI」を追加した。

さらに、日本独自の取り組みとして、AI利用に意欲的な自治体と連携する「Geminiパイロット自治体プログラム」も開始。教員の業務効率化や学習準備支援を目的に、50自治体を対象にモデルケースを構築する。応募には、GIGAライセンスまたはWorkspace for Education Plusの導入、教員アカウントのGemini利用環境の整備などが条件となる。募集は7月22日から開始予定。

また、大学向けには、教育機関の証明が可能な学生に対し、個人のGmailアカウントでもGemini AI Proを12カ月間無料で利用できるプロモーションの第2弾を8月に実施する。