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「三井アウトレットパーク 木更津」増床オープン 店舗数日本一に

三井アウトレットパーク 木更津の増床エリア

6月23日、三井不動産が運営している「三井アウトレットパーク 木更津」の第4期増床エリアがグランドオープンする。

三井アウトレットパーク 木更津は、東京湾アクアラインの千葉県側の着岸エリア、木更津市の金田エリアにあるアウトレットモール。今回の増床エリアには30の店舗が入り、既存エリアと合わせると全330店舗、総店舗面積は約53,100m2となり、店舗数では日本一となる。

NIKEやTHE NORTH FACEは店舗面積を拡大

今回の増床エリアは「ウエストゾーン」となり、既存エリアの南西部に位置する。同じ敷地内に作られているので、道路を横断したりすることもなく、既存エリアとはシームレスにつながっている。

第1期エリアの西側に作られる第4期エリア

ウエストゾーンの一部店舗は、既存エリアからの移転リニューアルで、これに合わせて既存エリア内でも新規店舗や移転リニューアル店舗がある。

NIKE FACTORY STORE KISARAZUは、既存エリアからの移転リニューアルオープンで、店舗面積は従来の約2倍となる。アウトドアブランドのTHE NORTH FACEとHELLY HANSEN、Goldwinも移転リニューアルオープンとなり、店舗面積が拡大される。

新規ブランド店舗も多数だが、移転で面積拡大するブランドも注目
NIKE FACTORY STOREは裏の駐車場や公道から見える外壁デザインが独自になっている

ウエストゾーンに新規出店するゴルフブランドのPXG、ファッションブランドのSOPH.、スケートボードブランドのinstantは、国内のアウトレットに初出店となる。ヨガブランドのlululemon、ファッションブランドのMAISON KITSUNÉ、ファッションブランドのAMIRIは関東のアウトレットでは初出店となる。

ウエストゾーンの飲食店としては、ハンバーガーレストランのSHAKE SHACKが新規出店するほか、同アウトレット内では2店舗目となるスターバックスもオープンする。

既存エリアのリニューアルや新規出店

既存エリアではCOACHのコーヒーショップと三陽山長がアウトレットに初出店となるほか、AHKAHが関東のアウトレットに初出店となる。このほかにもLACOSTE、XLARGE、POLO RALPH LAURENが既存エリア内で移転リニューアルする。

屋外イベントができるルーフテラスやスケートボードパークも新設

ウエストゾーンにはイベントなどに利用できる大きな屋根付きの半屋外広場「ルーフテラス」が設置される。こちらは約700m2の広場で、人工芝が敷かれている。取材を実施した内覧日には、このルーフテラスの利用例としてヨガイベントが実施されていた。

半屋外広場のルーフテラス。日陰になるので夏場も過ごしやすい

ルーフテラスにはキッチンカーが展開するスペースもあり、軽食も楽しめるようになっている。キッチンカーは常設ではないが、期間中は4〜5台のキッチンカーが展開する。ルーフテラスにはSHAKE SHACKとスターバックスが隣接しており、これらの店舗のテラス席もルーフテラスに設けられている。

ルーフテラスはイベントが実施されていないときは椅子やテーブルが設置されている

ルーフテラスの隣には、スケートボードパークも新設される。こちらは競技にも使われるようなハーフパイプも設置される。このスケートボードパークのデザインや運営はウエストゾーンに出店するinstantが携わっている。こちらではスケートボードのスクールも開催される予定。

スケートボードパークのオープニングイベントで実施されていた小中学生ボーダーによるデモンストレーション。よう飛ぶ

エリア新設と同時に既存エリアも整備されている。例えば2024年には先行してドッグランがオープンしている。三井アウトレットパーク 木更津はペットを連れて入場可能で、店舗によってはキャリーバッグや抱きかかえた状態で入店できる(盲導犬や介助犬は全店で入店可能)。

既存エリアではドッグランやキッズパークが整備されている

共有部分は公園をイメージした空間デザイン

今回の増床エリアのウエストゾーンは、「パークリゾート」をコンセプトとし、都市に隣接する公園のような空間デザインとなっている。例えば既存エリアの植栽はプランターが多く、規模も小さい。しかしウエストゾーンは地面に直接、植栽が植えられていて、その規模も大きめだ。座れる場所も椅子とローテーブルなど、既存エリアの固いベンチに比べると過ごしやすいものになっている。

ウエストゾーン。わりとしっかりとした植栽があるので、必然的に店舗の前を通行することになる
こちらは既存エリア。植栽やベンチなどの雰囲気作りがけっこう違っている

ルーフテラス以外にも、ウエストゾーン南西部に人工芝の敷かれた広場もある。ここは THE NORTH FACEとNIKE、lululemonの店舗に囲まれたエリアで、取材日にはTHE NORTH FACEのテントなどが展示されていた。

南西部の人工芝エリア。周囲の植栽は本物

このほかにもウエストゾーンでは自動販売機やロッカー、トイレなどのデザインに、ヘラルボニー契約作家のデザインを採用するなど、既存エリアとは異なるデザインコンセプトが各所に盛り込まれている。

ヘラルボニー契約作家によるデザインロッカー

ウエストゾーンは元々、同アウトレットの駐車場などがあった場所に作られている。しかし駐車スペースが減っているわけではなく、別エリアの駐車場を3階建ての立体駐車場にしたほか、北東部の未利用地を駐車場として整備するなどして、駐車スペースが確保されている。全体での駐車台数は約6,300台となっている。

ちなみに三井アウトレットパーク 木更津の駐車場は、2025年6月現在、料金や時間の設定がされていない。出入り時に駐車券のやりとりなどはなく、同アウトレットの利用者は営業時間内(9時半〜21時半)であれば無料で駐車できるなど、料金や時間を気にせず使いやすい駐車場となっている。

増床オープン記念でセールなどのイベントも開催

今回の増床オープンを記念し、6月23日から「SCALE UP OPEN SALE」として既存エリアも含めた約170店舗でセールイベントが開催される。

開業キャンペーンが実施される

7月5日〜6日には、「激辛&かき氷FES in 三井アウトレットパーク 木更津」も開催される。こちらは激辛とかき氷をテーマとしたグルメイベントで、ウエストゾーンのルーフテラスに屋台が出店される。

このほか、一部の日程で営業時間の延長も実施される。通常ではショップは20時閉店だが、6月28日〜29日、7月19日〜21日には21時まで営業し、レストランやフードコートを含め、開店時間が30分前倒しとなる。

この営業時間延長は、気温の下がる夕方以降の買い物をしやすくすることを狙いとしているという。ちなみに東京・神奈川方面から車で行く場合、帰路の東京湾アクアラインは休日の20時〜24時には料金が半額(普通車なら400円)となるので、東京・神奈川方面から行く場合、遅めの夜ご飯と買い物をしつつ、20時過ぎまで滞在するのがオススメだ。13時〜19時だと倍額(普通車なら1,600円)となるだけでなく、渋滞によって通常は20分で渡れるところに1時間以上かかることもあるので注意が必要である。

高速バスも増便されている。新宿からの高速バスは6月1日から増便しているほか、運休していた成田空港からの高速バスが6月21日より休日のみ1日1往復運行される。さらに4月からは期間限定でJR上野駅、銀座からの高速バスも運行している。

今回の増床で売上高1000億円を目指す

三井アウトレットパーク 木更津は、千葉県内からだけでなく、東京湾アクアライン経由で東京都心部や神奈川県東部から1時間弱、羽田空港からは30分弱という立地にある。鉄道駅は最寄りにないが、広大な駐車場と多数の高速バス便により、自家用車でも公共交通でも利用しやすい。

こうした巨大都市圏からのアクセス性と店舗数を兼ね備えたアウトレットは他社を含めても少なく、来客のニーズも出店のニーズも高く安定していて、三井不動産では三井アウトレットパーク 木更津を基幹物件に位置づけている。

第1期開業からの店舗数の推移。第4期は増床の規模としては大きくはない

第1期の開業は2012年で、当時は約2.8万m2、171店舗だったが2014年の第2期増床開業で約3.7万m2、248店舗、2018年の第3期増床開業で約4.6万m2、308店舗と規模を増やしてきた。

売上高は2026年度には850億円を、将来的には1000億円を目指す

全体の売上高は、2020年のコロナ禍でいったんは落ち込むものの、増床やインバウンドの復活によって伸び続けていて、直近の2024年度には690億円になっている。今回の第4期増床エリアが1年を通じて稼働する2026年度には850億円の売上高を目標とし、将来的には1,000億円への到達も目指しているという。

自動配送ロボの実証実験も実施

三井不動産では三井アウトレットパークの顧客接点の多様化として、Eコマースサイト「三井アウトレットパーク オンライン」を2025年3月よりスタートしている。こちらはアウトレットモールの店頭商品をオンラインで販売するというサービス。実際にアウトレットにある商品在庫から販売するのが特徴で、参加店舗の商品が売れると、ショップのスタッフが商品の梱包をする(集荷や配送は配送業者が行なう)。

ロボットによる配送実証実験が実施される

この梱包資材は三井アウトレットパークが管理していて、各ショップスタッフは必要になると取りに行く必要がある。同アウトレットは規模が大きいので、端の店舗から取りに行くと往復で10分以上はかかってしまう。

そこで、三井アウトレットパーク 木更津では、自動配送ロボットを使って梱包資材を各店舗に届けるという実証実験が実施される。こちらはAvride社のロボットを使うもので、実環境での効果や課題などを検証する。

取材日に実施された配送ロボットのデモンストレーション。人間が近くに居ると避けて通ろうとして、近づいてくると停止する

実証実験ということで、参加店舗はまず5店舗からとなる。遠い店舗は実証実験に参加していないが、それでも数百メートルを走行するような店舗も参加している。実際の配送時は、一般客が多くいる時間帯を避け、営業時間外などに行なう予定だ。一方であえて人が多い時間帯に運用し、宣伝的な効果を得ることも想定しているという。