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人工筋肉で動くベッド ブリヂストン「モーフ」

ブリヂストンの社内ベンチャーである、ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズとKonelは、ブリヂストンのゴム人工筋肉を活用した「Morph(モーフ)」を使った無目的室「Morph inn(モーフ・イン)」を5月17日~25日まで、東京都表参道の「seeen」に設置する。事前予約制で誰でも体験が可能。

無目的室とは、目的を持たないことで気持ちが解放されるような空間のこと。例えば、マッサージチェアは、「マッサージする」という目的があり、マッサージをより効率よく体験するために、好みのモードや時間など利用者はいろいろと考えながら利用してしまう。無目的室とは、こうした目的自体を考えずにリラックスできる空間を目指している。

Morphは、空気圧で駆動する人工筋肉と、東レが開発した人工皮革「Ultrasuede」を組み合わせてクッションのような形状とした「やわらかいロボット」。また、布団のような形状をした「Morphミニ」は、身体にかけた状態で、包み込むような動作をする。

Morph。3つのMorphを組み合わせている
布団のように被っているのが「Morphミニ」。人を包み込むような動きをする
Morphミニ

自然界や動物のモーションを取り込み、動きの特徴点から抽出したデータを元にゴム人工筋肉を制御して、Morphの表面が動く。動きは、生物の胎動や呼吸、潮の満ち引きのような自然界の動きなど、30種類のデータから、有機的な動作をランダムに人工筋肉に伝え、Morphの上に寝ている人間が全身でその動きや振動を体感できる。これにより、これまでにない開放感が得られるという。

ブリヂストンのゴム人工筋肉
人工筋肉は空気圧で駆動する

マッサージチェアと異なるのは、「人が思うようにコントロールできない」こと。Morphを体験する感覚について、Konel CEOの出村光世氏は、「トトロのお腹に乗るメイの気持ち」と表現しており、動物や自然現象を人間がコントロールできないように、自然にまかせることで、「無目的」を実現する。

実際に体感してみると、背中から伝わる振動と、Morphミニの包み込むような動作で、マッサージをされているわけでもないのに、不思議な心地よさが感じられる印象があった。Morphの動きはランダムで予測が付かず、小刻みな動きがあったかと思うと、波のうねりのような静かな動きがやってきたりと、規則性がない。慣れてくるとただ心地よさだけがあり、そのまま眠りたい気持ちにさせられる。

ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズ 創業メンバー/主幹の山口真広氏(左)と、Konel/知財図鑑 クリエイティブディレクター/CEO 出村光世氏

Morph innの体験は、5月17日~25日まで、東京都表参道の「seeen」で行なわれる。所在地は東京都渋谷区神宮前4丁目13−12(表参道駅A2出口から徒歩3分)。体験は無料だが、事前登録が必要。

東京都表参道「seeen」