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定期的に休憩する従業員は生産性が高い Slackが働き方調査

Slackは20日、世界中のデスクワーカーを対象とした、未来の働き方に関する調査「Slack Workforce Index」を発表した。調査によれば、デスクワーカーの37%が残業が「常態化」しており、「プレッシャーを感じながら」の残業で生産性の低下が見られるとする。また、定期的に休憩する従業員は、生産性のスコアが高いという。

調査は、米国、オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、英国の10,333人のデスクワーカーを対象に、8月24日から9月15日にかけて実施。生産性の最大化とともにデスクワーカーのウェルビーイングと満足度の強化のための仕事時間の最適な使い方などを調べた。

調査によれば、デスクワーカーの5人中2人が「時間外労働が常態化している」と回答。うち、50%以上がプレッシャーを感じて残業をしているという。また、プレッシャーを感じて残業している場合、1日を通じて生産性が20%低下。日本においては、プレッシャーを感じて残業をしている従業員の生産性は37%低下しており、グローバルの水準(20%)の約2倍となっている。

こうしたデスクワーカーでは、仕事関連のストレスが2.1倍多く、職場環境全般に対する満足度が1.7倍低下、燃え尽き症候群になる可能性が2倍高いという。

従業員が残業を強いられる理由は、「1日の時間が足りないから」で、4人に1人が「会議に時間を使いすぎている」、「メールに時間がかかりすぎている」と回答。また5人に1人が同僚と交流する時間がないと答えている。

またデスクワーカーの約半数が「勤務中にほとんど、あるいは全く休みを取らない」と回答。日本においてはこの確率が63%まで向上し、調査対象国で最も高い水準となる。これらの従業員は1.7倍高い割合で「燃え尽き」を経験している。

一方で、定期的に休憩を取る従業員は生産性のスコアが13%高い。また、ワークライフバランスのスコアやストレスや不安に対処する力、全体の満足度なども高くなる。

勤務時間帯においては、「『午後のスランプ』は実際に発生する」としており、デスクワーカーの4人に3人が15時〜18時に仕事をしているにもかかわらず、この時間帯に生産性が高まると考える回答者は4人に1人のみだった。平均的なデスクワーカーの1日の理想的な「集中タイム」は4時間程度で、会議が1日2時間を超えると、すべての職務レベルで大半の人が会議に「時間を使いすぎている」と感じるようになる。

ツールに関する質問では、ほぼ全ての経営幹部(94%)が、AIツールの導入に一定の緊急性を感じており、会議の議事録作成や文書作成支援における業務効率化に期待している。日本では、全ての経営幹部が「AIツールを取り入れることに一定の緊急性を感じている」と回答し、日本における生成AIへの関心は非常に高い。

一方、日本において現時点で「AIツールは、仕事の生産性向上につながっていない」と感じているデスクワーカーの割合は91%。これは調査対象国6カ国で最下位となる。AIツールへの期待では、「会議の議事録作成」「文章作成の補助」「ワークフローの自動化」がトップ3。日本においては、「文章の要約」が2位に入っており、日本の労働者は情報の要約がニーズが高いとする。