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メルカリ、生成AIで「売れやすいタイトル」に変更

メルカリは17日、生成AI・大規模言語モデル(LLM)を活用したAIアシスタント機能「メルカリAIアシスト」をiOSアプリで提供開始した。メルカリアプリで、ユーザーに見える形で生成AIを実装するのは今回が初となる。

「メルカリAIアシスト」は、出品・購入時などに、AIがユーザーに最適な行動を促す機能。例えば、商品の出品時に、商品のタイトルを「より売れやすい」と思われるものに変更を提案したり、価格を下げるようチャットベースのUI上で案内する。

例えば、書籍「イーロン・マスク 上」を出品した例だと、出品した画面上に「商品名を変更してみませんか?」と提案。タップしてAIアシストを開くと、「イーロン・マスク 上 ウォルター・アイザックソン、井口 耕二」など著者や訳者を含めた内容にするなど、チャットで提案してくれる。また、価格が高すぎる場合は、「価格を下げましょう」と想定価格レンジ(1,800-4,800円)などを紹介する。

まずはiOSアプリからスタートし、今後AndroidアプリやWeb版にも拡大予定。

当初は、キャラクターグッズ、ポケモンカード、邦楽やK-POPのCD、参考書・小説など、全20カテゴリから開始。その後、対象を拡大していく。

メルカリAIアシスト対象カテゴリ

「メンズ」「レディース」「おもちゃ・ホビー・グッズ」「本・音楽・ゲーム」「スポーツ・レジャー」「インテリア・住まい・小物」「ハンドメイド」の一部の商品(10月17日時点)

これらのカテゴリは、「ユーザー数と出品が多く、現在自信を持って提案ができるエリア」(メルカリ VP of Generative AI/LLM 石川 佑樹氏)という。商品のデータが充実しており、メルカリの過去の実績が多く、学習成果を活かしやすいカテゴリから開始するが、順次カテゴリを拡大していき、100%の導入を目指す。

大規模言語モデル(LLM)はOpenAIのものを採用し、Microsoftの「Azure OpenAI Service」上で構築している。ただし、様々なLLMを検証中のため用途にあわせて使い分けていく方針で、「今後変わる可能性はある(石川氏)」という。

メルカリでは、これまでも価格提案や画像検索からの商品情報取得など、AIの活用を進めていたが、生成AIでは「タイトル変更」を促すだけでなく、変更後のタイトルを具体的に提案できる。また説明文に入れたほうが良い要素などの提案も可能になるなど、より簡単で売れる出品に繋げられるとする。

ただし、提案したタイトルなども最終的にはユーザーが「決定」する形で、生成AIはあくまで副操縦士(Copilot)と位置づけている。また提案内容が誤っている場合もあるため、免責事項や注意点もまとめている。今後は、出品だけでなく、購入サポートやお困りごと解決など、あらゆる利用シーンに生成AI・LLMを組み込んでいく。