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日テレ、スタジオジブリを子会社化。宮﨑駿は名誉会長に

左から日本テレビ 代表取締役会長執行役員 杉山美邦氏、スタジオジブリ 代表取締役社長 鈴木敏夫氏。「金曜ロードショーとジブリ展」にて撮影されたもの

日本テレビ放送網(日本テレビ)とスタジオジブリは、9月21日に各々取締役会を開き、日本テレビがスタジオジブリの株式を取得し、子会社化することを決議した。

スタジオジブリは、今年7月に宮﨑駿監督最新作「君たちはどう生きるか」を公開したが、宮﨑監督は82才、プロデューサーの鈴木敏夫氏も75才となり、後継者問題に悩んできたという。

後継者として、創業者である宮﨑監督の長男であり、自らもアニメーション映画監督である宮崎吾朗の名前が何度か候補に上がってきたが、吾朗氏は「一人でジブリを背負うことは難しい、会社の将来については他に任せた方が良い」との考えから、それを固辞してきたという。

そこで、スタジオジブリの経営を任せる先を検討していたところ、永年にわたり親しく付き合いのあった日本テレビとスタジオジブリの間で話し合いが開始。昨年、鈴木プロデューサーと日本テレビの代表取締役会長執行役員の杉山美邦氏とが、温泉場で時間をかけて話をし、その際に、鈴木氏から「ジブリがこれからも映画づくりに集中するために、経営を日本テレビで手伝ってもらえないか」と申し入れたという。

これに対し、杉山氏は「今後ともジブリ作品を応援し、ジブリが映画を作り続けられる環境を守ることになるならば」と、これを前向きに検討することを約束。今回の子会社化に繋がった。

日本テレビは1985年に「風の谷のナウシカ」をテレビ初放映して以来、映画番組「金曜ロードショー」を通じてスタジオジブリ作品を放送し続けてきた。「魔女の宅急便」(1989年)からは映画製作に出資したのをはじめ、2001年に開館した「三鷹の森ジブリ美術館」の設立を支援するなど、永年にわたってスタジオジブリと歩みを共にしてきた。

日本テレビは、「国内はもとより海外でも多くの人に愛される作品を生み出してきたスタジオジブリを子会社にしてこれまで以上に支援していくことは、日本テレビグループ全体の企業価値の向上に大いに資するもの」と説明。「これまでスタジオジブリの価値観を尊重しながら長く付き合いを続けてきた日本テレビだからこそ、スタジオジブリの“もの作り”やブランド価値を永続的に守ることができる」と確信したという。

協議の結果日本テレビがスタジオジブリの株式の取得を進め、議決権所有割合42.3%の筆頭株主になる。そして、日本テレビから役員が派遣され、スタジオジブリの経営をサポート。

⼀方で、日本テレビはスタジオジブリの自主性を尊重し、スタジオジブリは今後ともアニメーション映画の制作、ならびにジブリ美術館、ジブリパークの運営に専念していくという。

子会社化後のスタジオジブリの新経営体制は以下の通り。

  • 取締役名誉会長:宮﨑 駿
  • 代表取締役議長:鈴木 敏夫
  • 代表取締役社長:福田 博之(日本テレビ 取締役専務執行役員 日本テレビホールディングス 上席執行役員)
  • 代表取締役副社長:中島 清文
  • 常務取締役:宮崎 吾朗