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メルカリ、スマホ出品を強化へ データ消去など環境整備

メルカリは、スマートフォンの取引の活性化を図る取り組みを拡大する。新型iPhoneの発表・発売などで、例年9~10月はメルカリのスマホ取引が最も増加することから、データ消去サービスや手数料還元キャンペーンなどを組み合わせて出品のハードルを下げ、取引量の増大を狙う。

一般ユーザー同士で直接売買するメルカリでは、スマートフォンを通信キャリアなどに下取りに出すよりも高く売れるとアピールする。出品されたスマホの64%は3日以内に売れており、傷や汚れがあるというステータスで出品されたスマホでも38%が売れることや、「ジャンク品」ステータスのスマホも11%が売れていることなどが、9月14日開催の説明会で紹介されている。

出品時の手間を軽減する取り組みも強化しており、データベースの強化やUIの改善、スマホ特有の確認事項をサポートする仕組みも導入している。

スマホカテゴリーを強化
CtoCとして下取りよりも高く売れる
早く売れるほか、状態が悪くても売れる場合も
最新機種でなくても幅広く取引されている

「あんしんデータ消去」で不安を解消

その上で、「個人情報が不安だから」という理由で家で保管されることが多いというスマホの出品の心理的ハードルを下げるものとして、専門業者がデータを消去する「あんしんデータ消去」サービスを開始している。

9月15日~10月17日までは、先着10万名限定で「販売手数料30%還元クーポン」が配布される。上限は1,000ポイント。

また同じ期間中、「あんしんデータ消去実質無料キャンペーン」も実施され、期間中に出品して対象期間中に取引を終えると、同サービスの利用料である1,400円分のメルカリポイントがプレゼントされる。

「あんしんデータ消去」は伊藤忠グループのBelongが提供。神奈川県座間市にある巨大なセンターでデータ消去を行なう。専用ツールでFeliCaの履歴消去にも対応する

梱包資材付き 対面で相談できる講座

加えて「メルカリステーション」新宿マルイ店では、スタッフと対面でスマートフォンの出品について相談できる「スマホ出品サポートプログラム」を9月14日~30日の期間に実施する。

このプログラムでは、メルカリ教室の一環としてスマホ出品に特化した「かんたん&あんしんスマホ出品」講座など複数のコンテンツを用意。参加者には出品をサポートする冊子や梱包資材がセットになった「出品キット」が限定100部で配布される。同ステーションではメルカリ上で人気のスマホの展示も行なわれている。

講座で配布される「はじメルスマホ出品キット」(限定100部)
「メルカリステーション」新宿マルイ店で展示されるスマートフォン
iPhone 8も1万円を超える価格で取引されている

6兆円規模“埋蔵スマホ”を発掘できるか 新品高騰は追い風

左からBelong 代表取締役社長CEOの井上大輔氏、メルカリ Marketing Directorの千葉久義氏

原料の高騰や円安などさまざまな要因で新品スマートフォンの販売価格は値上がりが続いており、2022年度は前年度比11.8%減の2,985万台になるなど、出荷台数の減少という形で影響が出始めている。一方、2022年度の中古スマートフォンの販売台数は前年度比10.4%増の234万台になり、2023年度は257万台が予測されるなど、毎年10%以上の伸びをみせている。2022年度の中古スマホ販売数234万台のうち、メルカリで取引が成立し販売されたのは53万台。

新品販売が減少する中、中古スマホ市場は拡大

一方、家庭で使われずに保管されているスマートフォンは推計3億台、6兆円規模の市場という試算もあり、1%が動くだけでも600億円規模になるなど、“埋蔵スマホ”に対する業界の期待は高い。メルカリでもこの市場を狙い、「個人情報が心配だから」といった心理面でハードルになっている課題の解決も図りながら取引量の拡大を図っていく。

9~10月はまた、メルカリのスマホ取引が最も増加する時期になっている。これは例年、新型のiPhoneが発表・発売される時期にあたるためという。今年は新型iPhoneの販売価格の上昇が顕著になっていることから、メルカリ上の中古スマホの取引増に期待がかかる状況。このため9~10月を狙っての取り組み強化やキャンペーンを実施するに至っている。

スマホ出品について、新CMも制作。Web上では9月16日から、テレビでは9月22日から全国で放映する。