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アシックス、健康度に応じた運動を提案するプラットフォーム

アシックスは、様々なデータを用いた統合的な解析により、利用者の健康増進を全方位的に支援する「ASICS WELLNESS DATA PLATFORM(アシックスウエルネスデータプラットフォーム/AWDP)」を開発した。ウエルネス事業拡大を進める。

アシックスでは'20年1月より、独自の健康増進プログラム「ASICS HEALTH CARE CHECK(アシックスヘルスケアチェック/AHCC)」事業を展開。現在の健康度の測定や将来の健康寿命を予測し、その結果に応じた運動を動画とともに紹介することで、企業や自治体など1万人以上の健康増進をサポートしてきたという。

今回開発したAWDPは、AHCCの測定結果や健康的な運動習慣の確立を促進するスマホアプリ「ASICS WELLNESS CONSULTANT(アシックスウェルネスコンサルタント/AWC)」の利用履歴などのデータ分析と管理が迅速かつ効率的に行なえることから、利用者個々の健康状態により即した健康増進施策の提供が可能としている。

AWDPでは、AHCC測定による歩行能力、体組成、認知機能、体力、ストレスなどの詳細なデータを、個人のほか、企業および自治体などのコミュニティ単位で管理可能。全国平均や目標データなどと比較することで個人やコミュニティの健全度(アシックス独自の判断基準による心身の総合的な健康度合い)がわかる。

利用者の要望にあわせた、コミュニティに所属するメンバーのAWCアプリ利用率やトレーニングの実施率などのデータの提供も可能。AHCC測定を2回以上実施した場合、前回の測定結果と比較することで、健康増進施策の成果を可視化する。

AWDP分析例

さらに、AHCC測定結果に応じた健康改善のためのソリューションを提供。アシックス独自の指標を用いて、コミュニティメンバーの現在の健全度に応じてグループ分けして、それぞれのグループに適した健康改善のためのソリューションを提供する。

例えば、健全度が高いグループには、体力を維持するためのランニングやウォーキングセミナーなどへの参加を提案する。健全度が低く改善の必要性が高いグループには、健全度にあわせたAWCアプリのトレーニング動画を提供する。

また、AWCアプリを使って、モチベーションや頑張りを評価するポイントシステム「モチポ」やトレーニング回数などで競うコミュニティ限定のイベントを開催できる。

AWDPを活用したコミュニティごとの分析と健全度に応じたソリューション提案の例

現在、複数の企業や自治体に向けて、同プラットフォームを活用した具体的な健康増進施策の提供を開始している。今後はアシックススポーツ工学研究所と連携し、AHCC事業のデータのほか、健康診断の結果や睡眠、食事などの外部データを掛けあわせることでより具体的なソリューションを提案するなど、さらなるパーソナライズ化を推進する。

また、AWDPで得られた高付加価値データを活用した「データ分析事業」など新たなデータビジネスも視野に、様々な企業との連携を図る。

AWDPで得られた高付加価値データを活用した「データ分析事業」のイメージ

なお、AHCCの2022年における利用状況については、前年対比約3.2倍の約5,600名の測定を実施。コロナ禍により健康課題を抱える従業員が増えるなど、「健康経営」の重要性に気付いた企業が、AHCCを導入しているという。

AHCC測定後は、アシックスが保有する1万人以上のデータと比較することで、健康改善が必要な対象者を個人、および支社や事業所などコミュニティ単位で選出。さらに、個人の測定結果36項目において、特に健康度が低い項目を選出する。これらの結果に応じて、企業、支社・事業所、個人それぞれに対するソリューションを提供している。