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JR東海、TOICAを全線に拡大。新幹線全駅に可動柵

JR東海は31日、同社が目指す鉄道の将来像を発表した。TOICAの全路線での採用やネット予約・チケットレスの拡大、新幹線全駅での可動柵導入、半自動運転の採用、MaaSなど、最新技術を活用した取り組みを行なっていく。

新幹線・在来線ともにチケットレスでスムーズな利用を促進するため、同社のICカード「TOICA」利用エリアを順次、全線に拡大していく。また、ネット予約、チケットレス化も拡大し、指定席の予約や定期券の購入を、スマートフォン等で行なえるようにする。在来線特急も窓口に立ち寄らず、チケットレスで乗車できるようにする。

窓口ではテレビ電話などを活用。「サポートつき指定席券売機」や「集中旅客サービスシステム」など遠隔での案内サービスを拡充し、購入時のサポートを充実させる。深夜早朝時間帯でもきっぷを購入できる駅も拡大する。

2023年秋開始に向け「EX-MaaS(仮称)」にも取り組み、新幹線とホテルや旅先での交通手段、観光プランなどの旅行全体をシームレスに予約決済できるようにする。また、新幹線とホテルや観光プラン等は自由に組み合わせが可能で、国内で初めて乗車直前まで列車変更が可能なパッケージ型商品「EXダイナミックパッケージ(仮称)」も同時期に提供開始する。

新たな高付加価値サービスも提供。新幹線ではグリーン車の上級クラス座席、ビジネス環境を一層高めた座席の設定を検討。駅ワークスペース「EXPRESS WORK」や車内「ビジネスブース」など、乗車前後を通じシームレスに仕事ができる環境も充実させる。また、団体客向けには、新幹線車両を貸し切り、オリジナルの車内装飾や車内放送、モニタ等の機材貸し出しによってオリジナルイベントを行なえるサービスも提供する。

新幹線・在来線も最新技術で強化

新幹線は、すべての駅に可動柵を整備して安全性を向上。半自動運転機能も導入し、運転中の速度制御や停車は自動化する。また、運転士は駅発車時のホーム上の安全確認・ドアの開閉を行ない、異常時には列車の責任者としてパーサー等を統括して対処。車掌は列車内で旅に不慣れな乗客のサポート業務に注力し、巡回強化によって車内セキュリティを向上する。

在来線では、3両以上の一部編成で車両の側面にカメラを設置。カメラによって乗客がドアに挟まれたり、転落していないかなどを画像認識技術を活用して検知する仕組みを検討。安全性を確保しながら、3両以上の編成にもワンマン運転を導入する。

この他、これまで人手や目視によって行なっていた検査を状態監視や画像認識などによって効率化。車両や線路設備等の状態をデータ化して監視し、故障前に修繕を行なうことで車両や設備を健全な状態に保つ。