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楽天ラクマ、BtoCに拡大。中古130社“公式ショップ”

楽天グループは、フリマアプリの「楽天ラクマ」において、中古品を取り扱うリユース事業者や並行輸入事業者など130社以上が出店する「ラクマ公式ショップ」のサービスを開始した。同時にサービスのロゴやアプリアイコン、UIのリニューアルも実施している。

楽天ラクマはこれまで個人が出品・売買できるCtoCが中心のフリマアプリだったが、リニューアルにより、リユース市場全体の半分を占めるという、中古事業者によるBtoC市場の取り込みを図る。

4月5日のサービス開始時点で130社以上が参加し、まずはアパレル関連を中心に展開する。リユース事業者が参加することで、プロによる検品や真贋判定が行なわれた商品が充実するとし、安心安全な取引が拡大するともうたっている。

参加事業者に対しては、出店は無料で販売手数料のみの負担と、参加しやすくした。一方、出店にあたっては楽天ラクマによる独自の審査が行なわれ、プラットフォーム側でも安全性を高める取り組みを行なう。販売時の手数料については個人出品の6%を基点として事業者ごとに異なるという。

楽天10兆円の「一翼を担う」

楽天ラクマの最新の事業規模は非開示だが、楽天グループは「楽天市場」など一次流通を含めて国内EC流通総額が5兆円を突破しており、これを10兆円にすることをグループの目標に掲げている。

楽天ラクマはスマートフォンアプリのダウンロード数が3,000万件以上で、流通規模もグループの中では楽天市場に次ぐ規模としており、グループの二次流通はラクマを中心にする方針。10兆円の目標達成に向け「一翼を担う」(楽天グループ 執行役員 コマースカンパニー ヴァイスプレジデントの松村亮氏)と意気込む。

二次流通市場の“残りの半分”であるBtoCにも「飛び込んで」(松村氏)、グループの二次流通を拡大していく。楽天カードの利用者の特典を厚くするなど、楽天市場に親しんでいるユーザーの取り込みも行ない、個人に対しては“楽天で買ったものを楽天ラクマで売る”流れも作っていく。

松村氏は、現在の課題は認知度とし、認知度が高まることでリユース事業者もさらに集まるという好循環が生まれるとした。事業者が増えると個人の出品者が不利になるのではないかという指摘に対しては、「逆に成長する」と回答。認知の拡大やプラットフォームの拡大で利用者が増加すると、結果的に個人の出品も買われる可能性が高くなるとした。

転売の弊害が指摘されることも多い昨今の状況については、転売そのものはサービスとして推奨しているわけではないとした上で、「ラクマや販売プラットフォームだけでできるものではなく、ブランドや一次流通(新品の販売)と一緒に取り組まなければいけない。ブランドとはコミュニケーションを取っており、共通認識は持っている。健全な経済活動が行なわれるように取り組んでいる」としている。

楽天ラクマでは、二次流通ではないものの、並行輸入の事業者については「海外輸入」として公式ショップを展開、40社以上が参加してサービスを開始している。2022年の半ばには「ブランド公式(アウトレット・SALE)」も提供予定。ほかにも食品ジャンルの事業者が直接ユーザーに販売できるようにする「産直・こだわり食品」も開始する。