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エステー、猫用トイレでペット市場参入。トドマツ粉体使用

エステーは、新ブランド「エステーペット」を立ち上げ、ペット用品市場に新参入。北海道産トドマツの粉体を利用した「猫用システムトイレ」を2月22日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は8,778円。

消臭芳香剤などの開発を行なう同社が、「空気ビジネスの新機軸」として展開する新ブランド。ペット関連の世界市場は約13兆円とされ、年率5%で成長しており、新ブランドによってグローバル展開も狙う。

エステーペットの第一弾は、トドマツの粉体を利用した猫用システムトイレ。ネコを飼っている人の95%がネコの糞尿のニオイが気になると答えており、ニオイの問題は未解決のニーズであることに注目し、開発された製品。

ネコのニオイを解決するため、「森の空気はなぜキレイか」という点に着目。100Lのビニール袋に森の空気を集めて分析する作業を全国66カ所の森林で行なった。

各地で集められた樹木の香り成分(精油)によって、大気汚染物質の一つとされる「二酸化窒素」の除去試験を実施。飛び抜けて高い性能を示したのが北海道釧路市の阿寒湖周辺で採取したトドマツの葉油だったという。

トドマツは間伐によって材木として利用されるが、消臭効果がある物質が含まれるのは枝葉の部分。枝葉は再利用率が0%で、基本的に破棄されていた。釧路の林業会社とパートナーシップを締結し、従来廃棄していた枝葉を提供してもらうことになった。

成分の抽出には「マイクロ波減圧度コントロール抽出装置」を開発。従来の水蒸気蒸留に比べて大規模な設備が不要で電気があれば稼働できる。これにより枝葉は、「樹木精油」「樹木水」「針葉粉体」の3つに分解される。この分解作業までを提携した林業業者に委託しているという。

このうち、樹木精油は空気浄化や花粉アレルギー低減などの効果があるとし、香りでヘルスケアを行なう製品「MoriLabo(モリラボ)」に利用。樹木水はホテル用天然消臭ミスト「Airforest」に活用されている。

針葉粉体を活用

今回の新製品に活用されたのは、「針葉粉体」で、高い消臭活性を持つという。猫用システムトイレのスノコ部分のプラスチック素材には、この針葉粉体を混ぜ合わせ、トイレ自体の消臭能力を高めながら、使用プラスチックの低減を行なっている。

システムトイレは開閉式のルーフカバーも備え、リビングなどに置いてもニオイを抑えやすいほか、フルオープン可能にすることで手入れをしやすくした。カバー部分は取り外して水洗いも可能。

製品本体となる猫用システムトイレは、「エステーペット 実感消臭本体セット」として販売。本体と、「エステーペット 実感消臭チップ(2.5L)」「エステーペット 実感消臭シート(4枚)」の約1カ月分(1頭の場合)がセットで、店頭予想価格は8,778円。本体サイズは45.5×58×43cm(幅×奥行き×高さ)。ウンチ用のスコップも付属する。

実感消臭本体セット

同時に発売される「実感消臭チップ」「実感消臭シート」にもトドマツの針葉粉体を使用し、消臭効果を高めた。

実感消臭チップは、トドマツの針葉粉体と機能性ナノパウダーを配合し、オシッコだけでなくウンチのニオイにも高い消臭効果を発揮するという。オシッコがかかっても固まらないサラサラなチップで、ネコの足の汚れも軽減する。飛び散らず粉も出にくいため清掃もしやすく、抗菌性能も備える。使用の目安は2.5Lが1袋で約1カ月、4Lは約2カ月。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は容量2.5Lタイプが657円、容量4Lタイプが1,053円。

実感消臭シートは、トドマツの針葉粉体とクエン酸のダブル消臭成分を配合したシステムトイレ用の吸収シート。ダブル消臭成分により消臭効果を発揮し、高分子吸水剤が1週間分のオシッコを吸収し、手入れの手間を軽減する。シートサイズは約43×29cm。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4枚入りが547円、10枚入りが1,078円、20枚入りが1,848円。

実感消臭シート

同社は、猫用トイレ市場で5年後、シェア10%を目指す。