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日立とみずほ、ブロックチェーンで物流の輸配送代金を早期資金化

日立製作所とみずほフィナンシャルグループ、みずほ銀行、みずほ情報総研、Blue Labは、ブロックチェーン技術を活用した物流業界の輸配送代金の早期資金化に関する共同実証実験を1月より開始する。

物流業界では、荷主から受注した後、複数の運送会社に運送事業を委託する多重構造の商流が存在しているが、実証実験により、物流データと連携したファイナンス提供を行ない、輸配送代金の早期資金化を実現する。

実験には関東圏の物流企業の営業所、運送会社が参加し、「発注、納品、支払に関わるやり取り」に対して、PCやスマホ上の実証用システムを使用。業務フローイメージを具体化するとともに、その受容性を検証する。

日立とみずほは、ブロックチェーン技術を活用して、リアルタイムでの真正性を確保した取引情報をもととする、高度なサプライチェーンファイナンスの実現を目指す。具体的には、日立の「Lumada」で開発を進めるサプライチェーン決済プラットフォーム上で、「みずほ」が開発を進めている新たなファイナンス決済スキームを金融付加価値機能として提供することを進めていく。

日立が開発するサプライチェーン決済プラットフォームは、ブロックチェーン技術を活用して複数事業者間での決済取引を支援する。当事者間で共有・活用するデータをブロックチェーンによりトークンとして扱い、真正性かつ耐改ざん性を確保し管理する。

みずほの新たなファイナンス決済スキームは、サプライチェーンにおける商流・物流に関わる情報とデータ連携し、川上企業が将来の売上見合い(将来債権)を川下企業の信用力で割引可能とする邦銀初の金融サービス。発注時点で将来債権をトークンとして表象させ、債権者はそのトークンを割り引くことが可能。また、その信用力は物流工程の進捗により判断する。

日立は今後、金融以外の業種とのサービス連携も含め、幅広い展開を検討。みずほは、新たなファイナンス決済スキーム確立に向け、技術的側面以外に、法律・会計等に関する整理も行ない、物流業種以外の業種へのニーズ調査も含め、ビジネス化に向け検証を実施。2021年度内のサービス開始を目指す。