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日本交通、新型コロナ患者専用車稼働。タクシー車両を改造

日本交通は、新型コロナ軽症患者移送専用車が完成したことを発表。7月7日より稼働を開始した。

日本財団による新型コロナウイルス支援策として進められていたもの。トヨタ自動車、デンソーの協力のもと、トヨタ「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」車両をベースに、主に軽症患者の移送用に飛沫循環抑制車両への改造を行なった。

運転席・助手席のある車両前方スペースと、後部座席以降の車両後方スペースの間に隔壁を設置。前方を陽圧、後方を陰圧とすることで、後方の空気が前方に循環しないようにコントロールする。トヨタが感染拡大の抑制や医療現場の支援に向けて開発したもの。

後部座席に対してのエアコンは、車両前部にあるエアコンから専用のパイプで冷気を送る仕組み。エアコンのオン・オフのスイッチも操作できないようにして車両運行中は常にエアコンを作動。パイプの途中に専用の送風機を設置することで冷気を送り込む。

エアコン停止前には運転席側に設置した専用のバルブを閉め、運転席側への空気の逆流を防ぐ。

後部座席側面窓は車内換気のため、常に窓を開けた状態に固定。後部座席ドアのパワーウインドースイッチは操作できないように改造している。

前席助手席部分および車両後部座席には、デンソー製の高効率空気清浄機を設置。微粒子(0.3μm)を99%以上回収できるフィルターを使用し、車内の空気を浄化する。都内病院の新型コロナウイルス患者搬送用車両に設置された実績のあるものを採用している。

この車両は、一般の営業に入らない専用車両として、保健所等からの依頼に基づき運行。運転者は患者の乗降時も車両を降りず、患者との接触は一切ない形をとる。

当面は5台で運用。今後の感染状況を鑑みながら日本財団と増備を検討する。