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歯医者で会計待たずに帰宅。歯科医院用キャッシュレス決済「ささっとPay」
2019年12月10日 08:00
ストランザは、歯科医院向けのキャッシュレス決済システム「ささっとPay」を、12月1日より運用開始した。東京都、山形県、愛知県などの5医院でテスト運用を開始し、2020年4月までに52医院、2021年4月までに1,000医院への導入を目指す。
ストランザは、独自に開発した歯科医師専用のクラウド予約管理サービス「Apotool&Box」を提供しており、2019年11月現在で全国約1,400の歯科医院に導入されている。
この他、Apotool&Boxを導入している歯科医院で利用できる患者向けモバイル診察券アプリ「私の歯医者さん」や、Apotool&Boxと連携して利用できる歯科医師専用POSレジシステム「お会計さん」もリリースしており、今回新たに運用が開始されるキャッシュレス決済システムのささっとPayでは、これら各サービスやアプリと連携することで、患者がモバイル端末でキャッシュレス決済を可能とする。なお、ささっとPayは、決済代行業者であるSBペイメントサービスのキャッシュレス決済サービスを利用して実現している。
ささっとPayの提供開始に合わせ、POSレジのお会計さんと診察券アプリの私の歯医者さんが、ささっとPay対応へとアップデートされる。患者は、診察券アプリにクレジットカード情報を登録することで、診察費をキャッシュレス決済できるようになる。
また、アプリ上でのキャッシュレス決済を実現することで、自費治療では治療後に会計を待たず帰宅できるようにもなるという。保険治療の場合は紙に印刷した領収書の現物を手渡す必要があるため、会計を待たずに帰宅できるのは自費治療の場合のみとなる。
こういった特徴によって、患者は多額の現金を持たずとも治療を受けられるようになるとともに、診療後の会計待ち時間を解消。診療費や物販の支払い履歴のアプリ一元管理、高額な支払いをクレジットカードの分割払いをできるようになる。また、歯科医院側にも、現金管理の手間の軽減をはじめ、未収金発生件数の減少や、受付待ち時間の削減でホスピタリティやサービスを向上し他医院との差別化を実現できるなど、患者、歯科医院の双方に様々なメリットが生まれるとしている。
ストランザ代表取締役社長の西島彰一氏によると、現在歯科受診者は高齢化が進んでおり、受診者の3名に1名が65歳以上、患者全体の約68%が45歳以上になっているという。そこで、ささっとPayによってキャッシュレス決済に対応させることで利便性やホスピタリティを向上させ、45歳以下の若年層が気軽に歯科医院に通院できる環境を整えることで、歯科受診率の向上や国民のQOL(生活の質)の向上を目指す。
今後は、診療報酬明細書を作成するレセプトコンピュータと精算データを連係させて診療費入力の手間を軽減するなどして業務効率化を進める計画。当初はクレジットカードのみとなるキャッシュレス決済手段についても、交通系電子マネーやコード決済への対応を予定しているほか、各種ポイントへの対応も計画している。