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大宮駅に活魚を瞬間冷凍するハイブリッドアイス

JR東日本スタートアップは、4社のベンチャー企業が参加する「STARTUP_STATION」を、JR大宮駅西口イベントスペースにて12月4日から9日まで実施。実用化に向けた実証実験を行なう新しい事業を、一般利用客でも無料で体験できるイベントとなっている。ここでは、ブランテックインターナショナルのハイブリッドアイスを紹介する。

ブランテックインターナショナルは、-21.3°Cのアイスを低コストで製氷できる技術を開発。使用するのは23.5%の高濃度塩水で、これまでは凍らせることは難しかったという。例として、醤油は冷凍庫に入れても凍らないことを挙げた。

ハイブリッドアイスは、生鮮輸送に活用。活魚を泥状のハイブリッドアイスに入れることで、瞬間冷凍ができる。

泥状のハイブリッドアイス
温度は-21.5℃

ハイブリッドアイスを使用した瞬間冷凍のメリットは、鮮度を高い状態に保ったまま凍らせることができる点。この理由は、一気に冷やすことによって細胞が原型に近い形を保てるからと説明した。

※動画では活魚を凍らせる様子を紹介していますので、閲覧にご注意ください。

ハイブリッドアイスで活魚を瞬間冷凍

瞬間的に凍るのは表面のみで、これにより鮮度を保てる状態となり、その後は種類により、数分から十数分で中まで凍るという。

また、氷なのでどこにでも運べることもメリットとしており、例えば漁場で獲れたての魚を凍らせるという使い方ができる。そして、高品質を保てるということは、おいしい魚を消費者に提供できるということであり、つまり高く売れるという、ビジネス面のメリットも強調した。

輸送では雪状のハイブリッドアイスを使用。冷凍車を使うことなく、冷凍した魚を運べるとする。ハイブリッドアイスが溶け切るまでの時間はおおよそ48時間。

STARTUP_STATIONでは、ハイブリッドアイスを使用して冷凍、輸送した魚介類が販売されている。表面には塩分がついているので、解凍は流水。水に流さずそのまま解凍すると、塩に漬け込んだようになると話した。

なお、JR東日本スタートアップはベンチャー企業などから駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案をオープンに募り、ブラッシュアップを経て提案を実現していく「JR東日本スタートアッププログラム」を実施。今年は3回目で、262件の提案から21件を採択し、STARTUP_STATIONでは、4件の協業内容が体験できる。

体験できるのは、ハイブリッドアイスを活用した鮮魚販売のほか、無人ロボットパスタカフェ、ウルトラ自販機によるエキナカでの無人駅弁・スイーツ販売、AI味覚判定を活用した日本酒レコメンドサービス。時間は11時から18時。