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旧こどもの城を誰もが利用できる「都民の城」へ。東京都

施設外観

東京都は、9月に国から取得した「旧こどもの城」の既存建物を、誰もが利用できる複合拠点へとリノベーションし、「都民の城(仮称)」として活用するための「改修基本計画 中間のまとめ」を発表。「改修後の目指す姿」「整備方針」「施設利用のエリアイメージ」「今後の事業スケジュール」に関する意見の募集を開始した。

所在地は東京都渋谷区神宮前五丁目53番1号。敷地面積は9,924.62m2、延床面積は41,699.87m2、建築面積は6,010.93m2。地下4階地上13階建て。築34年。

位置図

こどもの城は、1979年の国際児童年を記念して国が設置した国立の児童厚生施設。1985年に開館し、全国の地方の児童館への情報発信などに取り組んでいた。

2015(平成27)年に閉館。2019年9月に東京都が国から土地と建物を取得。低層部を先行して改修し、東京2020大会時に利用。その後、都民の城としてリノベーションを実施し、当面の間活用するとしている。

都民の城は、かつてこどもの城が「子供の健全な育成」に関して重要な役割を担ってきたという歴史を踏まえながら、誰もが利用できる施設へと改修。ダイバーシティの実現に向けた複合拠点を目指す。

コンセプトは「遊び・学び・仕事を通じて、子供をはじめとした都民が交流し、成長できる場」。青山通りに面した立地を活かしながら、「遊び」「学び」「仕事」を柱とし、子供をはじめとした都民が交流・成長できる施設として改修。都民の城が、当面の間の活用予定であることから、改修工事費を最小限に抑え、既存建物を可能な限り活かしつつ、一部の施設・設備を廃することも視野に整備方針を定めるという。

遊びのエリアは、新たな体験・仲間づくりができる場やスポーツ施設を低層部に設置。来館者が楽しみながら体づくりやスキル・感性を身につけられる施設としている。

高層部には、学びと仕事を中心とするエリアを設置。学びのエリアには、子供向けの体験・教育プログラムや、福祉人材・女性経営者に対する研修・セミナー、100歳まで学べる生涯学習講座を行なうなど、あらゆる世代に対する学びを提供するという。仕事のエリアでは創業の活発化や生産性向上、様々な人材の活躍を支援するとしている。

都民の城エリアイメージ

誰もが気軽に立ち寄れるレストランやカフェなどを屋内のほか、青山通りに面した広場にも設置。イベント時の一時託児スペースを設け、来館者の利便性向上と交流促進を目指す。

敷地内の旧青山劇場、旧青山円形劇場は、改修工事費を抑えるため、可動式床機構を廃止、照明・音響に関する調整も視野に、多目的ホールへと改修。芸術文化活動等に幅広く応えるとしている。地下2階のプール等は改修を見送り、廃止するとしている。

旧こどもの城と都民の城の施設概要比較

今年度中に基本計画を建て、2020年度から2022年度にかけて設計・改修工事等と運営に関する検討を進め、最短で2023年度での供用開始を目指す。

意見募集の項目は「改修後の目指す姿」「整備方針」「施設利用のエリアイメージ」「今後の事業スケジュール」。募集期間は11月22日から12月21日まで。提出方法はEメール、FAX、郵送のいずれか。