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高い遮音性能かつ低コストな「しずかルーバー」。清水建設

清水建設は、低コストながら高い遮音性能を持つアルミ製ルーバー「しずかルーバー」を製品化した。オフィスビルや商業ビルなどの屋上や地上部の設備機器の騒音問題解決を目的として開発、販売される。

ルーバーとは、羽板と呼ばれる細長い板を隙間をあけてブラインドのように並べ、目隠しや通風、雨よけなどに使うもの。

特に既存の遮音を目的としたルーバーは大量の吸音材を使うため大型化・高コスト化する傾向にあるが、しずかルーバーは羽板部分に反射、吸音、共鳴の3要素を組み合わせた独自機構を組み込むことで、より高い遮音性能を備えながら小型化したもの。

構造もシンプルなアルミ押し出し成形のため、既存製品の50%~80%程度のコストで製造できるという。また、構造が単純なため既存製品の2倍以上の通気性が確保されている。

内蔵する3つの遮音機構により高音~中音~低音の騒音を低減する。1つめの仕組みは放物線と円弧を組み合わせた反射板により高音を音源方向に送り返す仕組み。2つめは羽板に内蔵した「耐候性吸音材」で低~高音域の音を吸収する。3つめは羽板にスリットを介した密閉空間を作り「ヘルムホルツ共鳴器」とすることで、共鳴が発生する中音域の音がスリット部分より先には伝わらず元の方向に戻るというもの。

しずかルーバーは11月にオープン予定の高層ホテル「SGリアルティ新大阪ホテル(からくさホテルグランデ新大阪タワー)」で、地上設備ヤードの騒音対策建材として採用。12月からは外販も開始される。