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ウェザーニューズとトヨタ、車のワイパー稼働率で雨天を把握

特設サイトイメージ

ウェザーニューズとトヨタ自動車は、ウェザーニューズが持つ気象データとトヨタのコネクティッドカーから得られる車両データを活用し、ワイパーの稼働状況と気象データから道路及びその周辺の状況を把握するための実証実験を、東京都・大阪府・愛知県の3都府県を対象に開始した。

トヨタは、2018年6月に販売開始したクラウンやカローラスポーツを皮切りに、車載通信機(DCM:Data Communication Module)を搭載したコネクティッドカーの本格展開を開始している。

実証実験では、対象地域を走るトヨタのコネクティッドカーのワイパー稼働状況をマップに可視化し、実際の気象データと照らし合わせる。

降水エリアの把握や予測に用いられる雨雲レーダーは、対流圏下層(上空2km以下)の雨雲が降らせる雨や、霧雨のような小さな雨粒による雨は捉えられない弱点があるという。過去の事例で、ユーザーから寄せられる「ウェザーリポート」で雨の報告があったエリアとワイパーの稼働エリアがおおよそ対応していたことから、ワイパーデータの活用で、一般的な雨雲レーダーでは捕捉できない降水状況の把握が期待できるとしている。

2019年7月7日8:30のワイパーとウェザーリポートデータ。橙が稼働しているワイパー。赤丸が雨に関する報告があった地点

また実験では、ワイパーデータと気象データとの関係を詳細に分析し、正確な降水エリアの把握のほか、ワイパー強度に対応する降水強度の推定などにも取り組み、ワイパーデータの天気予報への活用も検討する。

雨天時の事故率は晴天時の約4倍とも言われ、降水の有無は車の安全運転に大きく影響するという。両社は、ワイパーデータを活用し、レーダーで捉えられない降水や実際の降水強度など、道路及びその周辺の状況を正確に把握することで、状況に応じた運転者への注意喚起を行ない、ドライバーの安全に寄与することを目指す。