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レジでの会計時間、キャッシュレス(非接触)は現金より20秒速い。JCB調査

JCBは、10月の消費増税および、キャッシュレス・消費者還元制度の施行に伴い、現金、クレジットカード、非接触型、QRコードの4つの決済方法の速度に関する実証実験を7月22日に実施。その結果を発表した。キャッシュレス決済は現金よりも16秒速く、非接触型に限ると現金よりも20秒速い結果となった。

現金、クレジットカード(サインレス)、非接触型(QUICPay)、QRコードの決済速度の差。グラフ横の数値は決済時間の最小値から最大値。

実験の対象は20代から40代の男女。被験者100名を25名ずつ現金、クレジットカード(JCB)、非接触型(QUICPay)、QRコード(代表的なQRコード決済サービス4種類)の4つ決済方法で組分け、商品購入まで(レジ担当者の金額口頭掲示から商品・レシートを渡すまで)にかかる時間にどれだけ差があるかを計測した。

実際の決済速度は、非接触型が8秒、クレジットカード(サインレス)が12秒、QRコードが17秒、現金が28秒という結果となった。キャッシュレス決済(クレジットカード、非接触型、QRコード)の平均速度を、現金の決済速度と比較すると、現金よりも16秒、非接触型に限ると20秒速く、決済速度に大きな差があるとする。

現金、キャッシュレスの決済速度の差

JCBは、現金とキャッシュレスの決済速度の差をもとに、実生活に関連する試算を実施。普段の買い物で決済方法を完全にキャッシュレスへ移行すると、自由に使える時間が年間約3時間増加。日常生活において、少しずつ現金からキャッシュレスに移行するだけでも、自由に使える時間の増加につながるとしている。

従業員の労働問題など社会的な観点では、現金とキャッシュレスの決済速度の差をもとに、会計(レジ)担当者の労働量について試算。1日の会計業務において、消費者の半数がキャッシュレスで支払いをすると、従業員1人あたりの労働時間は約2時間減少。消費者全てがキャッシュレスで支払いをすると、労働時間は約4時間減少するという。キャッシュレスの導入によって、従業員の労働量削減や人員不足の解消が見込まれる。

日本経済にどのような影響があるのかについて試算では、消費者が現金払いを続けると、日本全体では1日約22億円分、年間で約8,000億円分の時間をロスしているという。決済手段を完全にキャッシュレスへ移行することで、時間が創出され、労働に充てた場合1人あたり年間約12,000円相当の価値となる可能性があるとしている。

各決済方法の被験者ごとの計測データ