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丸の内・有楽町の歩道927mに猛暑を緩和するミスト。三菱地所

大手町・丸の内・有楽町地区(丸の内エリア)に、6月13日から8月31日の計80日間、暑さへの対策を講じることを目的として、井水を活用した総延長927mの「ドライ型ミスト」が設置される。

2018年度実証実験時の様子

企画制作は三菱地所、三菱地所プロパティマネジメント、主催は大手町・丸の内・有楽町ドライ型ミスト実行委員会。実施主旨は、丸の内仲通りにてドライ型ミスト事業を実施することによる、夏の酷暑を乗り切るための快適な都市空間の創出。運転時間は10時から17時。

ドライ型ミストを活用した取り組みは、2018年夏に丸の内ビルおよび丸の内パークビル前歩道(各約100m)にて実証実験を実施。冷却効果を確認でき、またエリア内就業者や来街者から総じて好評であったという。

この結果を踏まえ、今回実施範囲を丸の内仲通り沿いの街路樹や東京国際フォーラム(対象物件14棟)まで拡張する。なお、東京国際フォーラムは別日程となっており、7月から9月の3カ月間を予定。

設置場所

噴射するミスト用の水源は、渇水が懸念される夏場であることを考慮し、井戸があるビルについては丸の内の地下100m以上から汲み上げる井戸水を飲料水の基準までろ過した上で活用する。

再整備した井戸より汲み上げた水は、海水の淡水化や超純水の製造で採用されている高性能フィルターを組み込んだろ過装置により、飲料水同等の水質にできるという。この井水を飲料化するシステムは、非常用電源においても稼働させることが可能で、非常時の飲料水確保にも役立つとする。

井水浄化設備の対象ビルは、丸の内ビル、丸の内パークビル、新東京ビル、国際ビル、新国際ビル。

ミストを噴射する設備は、簡易に取り付けが可能な街路樹設置型で仮設式。街路樹間に、給水ホースとミストヘッドが設置されたワイヤーを渡し、地上に設置されたミストポンプにより上水を微細ミスト化。ワイヤー端部に設置された温度計・湿度計・風速計が一定条件を満たす時のみ自動運転する仕組みで、雨天時や気温が低い際は自動停止する。

ドライ型ミスト設置イメージ(東京国際フォーラム以外)

丸の内エリアでは、今後も快適な都市空間を目指した取り組みを拡大し、環境に配慮した更なるスマートシティの推進を図るとしている。