ニュース

ソニーのaibo、長期療養中の子どもに与える癒やし効果の検証

国立成育医療研究センターこころの診療部児童・思春期リエゾン診療科の田中 恭子診療部長らの研究グループとソニーは、自律型エンタテインメントロボット「aibo」による小児医療現場における、長期療養中の子どもに与える癒やし効果の検証を12月より開始する。

メンタライジング(人の心を推し量る課題)の発達要素が、人の動きを見て反応し行動するaiboの特徴を通じて、子どものこころの発達過程を分析的に知ることができる可能性を探る、癒し効果の検証となる。

検証のために、aiboからみた子どもの視線追従、共同注意、模倣等から、対人コミュニケーションスキルの発達を月齢別に分析する。また、非生命体であるaiboへの愛着形成のプロセスを参与観察による発話数と情動表出数(ポジティブとネガティブの2方向)など、ストレス下にある子どもの対人コミュニケーション促進に必要な要素を抽出する。

分析には、aiboにより取得した顔認識結果、音声認識した言葉の回数等、なでる、叩く、触るなどの種類や回数等のデータを利用するという。

研究で用いるaiboは、研究に向けた特別仕様の機体。被験者の個人情報の扱いに留意し、被験者の顔写真等の個人を特定できるデータは成育医療研究センター内でのみ管理し、クラウド上への保存やソニー側では管理しない。またaiboが取得したセンサや認識結果等のデータは研究分担者が研究上の分析にのみ使用し、実験に用いるaiboの通信機能は必要に応じて制限するという。

4月から5月に実施したパイロット・スタディの結果、aiboとの定期的コミュニケーションによる情緒交流、気分転換、並びに癒しの効果が期待される結果が既に出つつあることなどが確認された。

今後、心理社会的な面において支援を必要とする現場へのロボットによる介在療法の導入の可能性を示すことで、動物療法の必要性を認識しながらも、動物介在による感染症のリスクなどの副作用が懸念されることから、導入に至らない小児療養施設・児童福祉施設であっても、こどもらの孤独と不安に寄り添う癒しの効果が広がることを期待しているという。