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今さら聞けない? 受験者30万人突破の「ITパスポート試験」とはなにか
2025年8月26日 08:20
現代社会のビジネスパーソンにとって、ITに関する基礎知識は欠かせないものです。特に近年は日常にもAIやIoTなどのITがより広がりをみせており、ますますITリテラシーを身に付けることの重要性が高まっています。
そのようななか、注目されているのが「ITパスポート試験」です。ITの基礎知識があることを証明する国家試験で、「iパス」とも呼ばれています。受験者数は年々増加していて、令和6年度は年間応募者数が30万人を突破しました。
ITパスポート試験について、「ちょっと気になっている」「受験を検討している」という方は多いのではないでしょうか。本記事では、ITパスポート試験の概要や出題範囲などをわかりやすく説明します。どのような試験なのか、一緒にみていきましょう。試験の最新情報も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください!
社会で活躍するための知識を持っていることを証明できる
ITパスポート試験は、「情報処理技術者試験」の1つの試験区分である国家試験です。試験名に「IT」と付いていますが、IT技術者に限定した試験ではなく、ITを利活用するすべての人が対象です。社会人や学生など、誰もが受験できます。
今のビジネスの現場では、営業、企画、広報など、多くの業務でITが活用されています。そして、ITを効果的に使うためには、経営戦略、会計・財務、法務など、ビジネスに関する幅広い知識も必要です。
ITパスポート試験は、このような現代社会において備えておくべき知識が身に付いていることを証明する国家試験です。合格することで、「社会で活躍するためのITやビジネスの基礎知識を持っている人材」であることを証明できます。
出題範囲はとても広い!
ITパスポート試験は、次の3つの分野から基本的な知識や考え方が出題されます。ITの知識に加えて、ビジネスに関する知識も問われるので、出題範囲はとても広いです。学習する際は、余裕のあるスケジュールを立てましょう。
CBT方式って?
CBT(Computer Based Testing)とは、コンピュータを利用した試験方式です。試験会場で受験者1人ひとりが1台のPCを操作し、モニタに表示された問題を解答していきます。受験する際は、事前に画面の見方や操作方法などを確認しておきましょう。
受験当日に試験結果がわかる?
試験を終了すると、すぐに採点が行なわれて、モニタに評価点が表示されます。試験当日に自分が何点だったのか、試験結果を確認できます。ただし、この評価点は暫定的なもので、正式な合格発表は後日になわれ、合格者の受験番号がITパスポート試験の公式サイトに掲示されます。
受験申込みや受験料
受験申込は、ITパスポート試験の公式サイトの「受験申込み」リンクから行ないます。受験料は7,500円です。
なお、情報処理技術者試験を実施しているのは経済産業省ですが、試験の運営管理は「IPA」(情報処理推進機構)が行なっています。
試験会場はどこ? 試験日はいつ?
47都道府県に試験会場があり、随時実施されています。受験申込みのときに、受けたい試験会場や日時を自分で選ぶことができます。試験会場や試験日時は、ITパスポート試験の公式サイトにある「試験開催状況一覧」で確認できます。なお、試験会場ごとに試験日や開始時間、定員が異なっています。希望する試験会場や日時が決まったら、早めに申し込みましょう。
ITパスポート試験の合格基準
ITパスポート試験の合格基準には「総合評価点」と「分野別評価点」があります。総合評価点の合格ラインは600点以上、分野別評価点は各分野とも300点以上です。合格するには、これらの条件を全て満たす必要がある点に注意しましょう。
- 総合評価点:600点以上/1000点満点
- 分野別評価点:各分野300点以上/1000点満点
分野別評価点では、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系ごとに評価します。そのため、総合評価点が600点以上でも、分野別評価点がどれか1つの分野でも300点未満だと不合格となります。そのため、3つの分野をバランスよく学習することが重要です。
3つの分野から出題されるのは何問?
全部で100問出題されますが、3つの分野から出題されるのは、下の表の「出題」に記載している問題数です。なお、評価対象は100問のうち92問で、表の「評価対象」に記載している問題数です。評価されない8問は、今後出題する問題のために使われます。ちょっとややこしいのですが、1問10点でないことに注意してくださいね。
ITパスポート試験の試験対策
ITパスポート試験の試験対策として、やはり過去問題を解くことが重要です。いろいろな知識を効率よく学習し、出題パターンに慣れることができます。正解だけでなく、間違いの選択肢についても理解を深めるようにしましょう。
過去問題を学習するときは、最新から4~6回を解くとよいでしょう。新しい出題内容を確認できるのがメリットです。たとえば、最近では生成AIに関する内容が出題されています。しかし、CBT方式で行なわれるため、できるだけ多くの過去問題を解いておくことが大切です。そこでお勧めしたいのが、こちらの本です。厳選した過去問題が「よく出る問題」としてまとめられていて、効率よく学習できます。もちろん、最新の過去問題も掲載されています。
ITパスポートに関する参考書は、さまざまな出版社から数多く販売されています。今ではWeb上からも問題を解くことができるサイトも用意されているため、活用するといいでしょう。
ITパスポート試験について、概要から試験内容などをご紹介しました。ITパスポート試験がどのような試験であるか、ご理解いただけたでしょうか。
「受験してみようかな」と思われた方もいらっしゃると思いますが、少し注意していただきたいことがあります。まず、システムリプレースのため、2026年4月27日以降、試験実施が1カ月程度、休止されます。受験時期を決めるとき、十分に気を付けてくださいね。
また、情報処理技術者試験に新たな試験の導入が進められていて、2025年内にも試験の概要がまとめられます。その際、ITパスポート試験も出題範囲が変更される見込みです。現行の出題範囲が変わらないうち、早めに受験することをお勧めします。
ビジネスでのデジタル化がより急速に進むなか、ITパスポート試験で得られる知識は、ますます重要になります。ITパスポート試験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。きっとビジネスパーソンとしてスキルアップが図れますよ。
実は、先ほど紹介した「ITパスポート試験 過去問題集 かんたん合格」という本は、私が著者で、多くの過去問題とその解説を掲載しています。「新しい用語」をはじめ、出題範囲を効率よく学習できる内容になっています。これから受験される方、よかったら手にしてください。それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!











