いつモノコト

「楽天リーベイツ」で楽天経済圏に取り込まれる。高いポイント還元率

ポイント還元率が高く、掲載されているサイトも多彩なのが魅力の「楽天リーベイツ」

どっぷりはまるとお得な「楽天経済圏」だが、楽天市場にほしい商品があるとは限らない。ジャンルによる得意、不得意があるため、楽天だけでショッピングを完結できる人は少ないだろろう。

それを補うために筆者が最近、フル活用しているのが「楽天リーベイツ」だ。もともとは米国のリーベイツ社が展開していたが、2014年に楽天が買収。2016年に日本版が始まった。

愛用し始めたのは昨年7月からだが、およそ8カ月で4万ポイント以上付与されている

このサービスは、楽天市場以外でも、対応ストアに楽天リーベイツ経由でアクセスして購入すると、楽天ポイントが貯まるというポイントバックサービス。海外サービスが原点なだけに、日本のポイントサイトには掲載されていないサイトが多いのが特徴。しかも、こういったサイトほど、還元率が高かったりする。

例えば、ファッション通販のFarfetch。日本でも展開しているため、他のポイントサイトにも掲載はされているが、楽天リーベイツ経由だと通常で3%と還元率が高い。しかも、比較的頻繁に還元率が上がり、高いときだと10%になることもある。

ファッションのジャンルが分かりやすいかもしれないが、海外由来のサービスのため、日本のポイントサイトに載っていないようなサイトまで網羅している。個人輸入派には見逃せない

支出が高額になりがちな旅行サイトが入っているのもうれしい。

筆者は昨年、「GoToトラベル」実施中に、楽天リーベイツ経由でANAトラベラーズを使って旅行を予約。還元率自体は4%だが、GoToトラベルの割引適用“前”の金額に対してポイントがついていたため、約1万ポイントをもらうことができた。

旅行サイトは楽天自身にも楽天トラベルがあるが、ANAでマイルを貯めていたり、逆に貯めたマイルを使ったりはできないため、楽天リーベイツ経由で他社のサービスを使う価値はある。現在はGoToトラベルが中断中のため、同じ技は利用できないが、実質価格をかなり抑えて旅行ができた。

楽天の事業と競合するようなサイトまで、しっかり掲載されている

IT関連では、みんなが大好きなアップルが入っている。アップルは、平常時で1%と還元率は低めで、他のサイトを経由しても大差はないが、キャンペーンで大きく還元率が上がるケースが多い。例えば、1月2日に開催された初売りに合わせて、楽天リーベイツでもポイント還元率を5%にアップしていた。発売から間もないiPhoneが対象外になっているなど、制限はあるが、Apple Watchなどは現行モデルも対象になっている。

オンラインでアップル製品を買うなら、こうしたタイミングを狙ってみてもいいだろう。筆者も初売りでプレゼント用のApple Watchを購入したが、楽天リーベイツを経由したことで、しっかり2,500ポイントほどをゲットしている。

対象外の製品もあるが、現行モデルのApple Watch Series 6やiPad Airは還元対象。現時点ではiPhone 12シリーズも、対象になっている

楽天リーベイツは、主にアプリ経由で利用している。ブラウザ経由でもいいが、Cookieの設定によっては経由したことが上手く伝わらない可能性がある。こうした不確実性は、極力排除したいということで、スマートフォンのアプリを利用している。特にiPhoneの場合、「サイト越えトラッキングを防ぐ」がオンになっていると、情報がきちんとサイトをまたいで伝わらなくなる。一方で、この設定は、プライバシー保護のために重要。むやみにオフにするより、アプリを利用した方がいいというのが筆者の判断だ。

ポイントサイトはほかにもあるが、個人的に重要だと思っているのが、ポイントの価値にある。楽天リーベイツで付くポイントは楽天ポイントになるため、楽天ペイを使えばネットだけでなく、リアルな店舗での支払いにも利用可能。さらにAndroidスマートフォンなら、モバイルSuicaへのチャージまででき、利用シーンがとにかく広い。貯まったポイントでランチを豪華にするといったことができるのは、非常にうれしいポイントと言えるだろう。

さらに、付与される楽天ポイントは、通常ポイントの扱いで有効期限が長いだけでなく、ランクの判定にも使われる。筆者は、上記の旅行で付与されたポイントで、あっさりダイヤモンドランクにランクアップしてしまった。ダイヤモンドランクの基準は、過去6カ月以内で4,000ポイント以上、かつ30回ポイントを獲得し、楽天カードを持っていること。楽天経済圏にどっぷりつかっていれば簡単に達成できるかもしれないが、片足を突っ込んでいる程度だと、達成がなかなか難しい。

付与されるのは通常ポイント。ランクの判定にも使われる

例えば、1%のポイント還元だとすると、普通なら40万円分の買い物が必要になる。これに対し、楽天リーベイツで10%還元になっているようなサイトを狙えば、4万円で基準を達成できてしまう。正直なところ、チマチマと楽天市場や楽天ペイで買い物するより、はるかにランクアップが簡単。買い回りなどを考えなくていいので気が楽だ。

そんなこんなでダイヤモンドランクになると、誕生日にもらえるポイントが増えたり、会員限定でポイントアップしたりといったメリットがある。ますます楽天経済圏に取り込まれてしまいそうだが、楽天リーベイツの高還元率を狙えば、維持も簡単。ケータイジャーナリストという仕事柄、「楽天モバイル」の動向は日々追っているが、楽天モバイル以上にお世話になっているサービスと言えるかもしれない(笑)。

石野 純也

慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行なう。 ケータイ業界が主な取材テーマ。 EYE's factory:http://www.eyes-f.jp/ Twitter:@june_ya